009
私は探索魔法を使う。
ん、どういうこと......?
1つの部屋に1人の反応を感じる部屋が数部屋あった。
そして、1つの部屋だけたくさんの反応を感じた。
たくさんの反応がある部屋に向かいますか......。
私は走る。
大きな魔力を感じる。
嫌な予感......
嫌な予感は、すぐさま的中し、筋肉隆々の男が行く手を塞いでいる。
男は奴隷の首輪をつけている。
奴隷の傭兵......?
「なぜ、奴隷のくせにここにいる?それとも......お前が噂の貴族警察か?」
もしかしてこの奴隷が、毛深いブタに貴族警察の情報をリークしたのかな?
「私が何者でもいいんじゃない?」
私は、魔法を発動する体勢に構える。
「そうだな、とりあえず戦意を奪わせてから尋問させてもらう」
男も拳を突き出す構えをする。
「できるならやってみなさい」
「ガキのくせに口だけは一人前だな」
「口だけかどうかは身をもって確かめてみなさい!」
私は地面を蹴って、間合いを詰める。
「爆風魔法!」
爆風が男に向かう。
男はニヤリと笑って、私に向かって走る。
何?吹き飛ばされたいの?
男は魔術具を上に投げる。
爆風がそよ風になった。
え、どういうこと?
......
....
..
私の思考が一瞬停止する。
男はその隙をすかさず、私の顔を殴った。
私は地面をザザザと横滑りする。
「う......」
私の頬に激痛が走っている。
私は、よろけながら立ち上がり、頬に手を当てて、治癒魔法をかける。
いつもより、治癒の速度が遅い。
「驚いたよ。解除魔法の魔術具の状況下でも魔法が使えるとはな」
「その魔術具、粗悪品なんじゃない?」
「多くの賢人をこの魔道具で返り討ちにしたんだ、お前の魔法が異常だろ」
「世の中の魔法使いは大したことないわね」
「口だけは減らねえな。魔法使いのガキから魔法を奪うと何になると思う?」
「そうね、儚げな少女ってとこかしら」
「答えはゴミクズだ」
男は、地面蹴って、間合いを詰めて、拳を突き出す。
舐めないで!私は魔法だけじゃない!
私は、男のパンチを右手で上受けをして受け流し、左手で逆突きを繰り出す。
私の突きは男のみぞおちにクリーンヒットする。
......
....
..
「体術も兼ね備えているとは驚いたよ、でも、ひ弱なメスガキのパンチじゃその程度か」
「ふふふ、これだけ密着してれば、流石のあなたも吹き飛ぶでしょう!」
「な!」
「爆風魔法!」
私は広範囲に爆風を呼び起こすのではなく、今、私が拳が触れている一点に集中させて爆風を起こす。
男は爆風の衝撃で吹き飛び近くの壁に背中を打ち付けた。
「グオオ!ふざけんなクソガキーー!」
沸点の低さは直した方がいいよ......
私は大振りの男のパンチを今度は、体だけ回転させて避ける。
避けた回転を使って、今度は後ろ回し蹴りをぶちかます。
「爆風後ろ回し蹴り!」
「グアアアア!」
ドコーーンと壁にぶつかる。
男は地面に伏せ、静かになる。
「もう、ドレスにいっぱい土がついてるじゃない!!」
私はドレスに洗浄魔法を掛ける。
「早く助けに行かなきゃ!」
筋肉男に隠蔽魔法をかけて、走る。