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002

私は地下通路を走り抜ける。

一度、立ち止まって、目を瞑り、探索魔法をかける。

この先の十字路を右かな......


この部屋だ。

罠解除魔法をかける。

バリバリという音がして、扉に仕掛けられている罠を解除した。

ひゃー、めっちゃ、厳重だよ。


私は風魔法で扉をぶち破った。

中にいたのは、荒くれ者の冒険者たちだった。

一応聞く。


「あなたたちは奴隷?」

「お嬢ちゃん、俺たちは奴隷だよーー!!」


奴隷はそんな誇るように奴隷だよとか言わないよ......


暴風魔法テンペスト!!」

「「「グアアアア!!」」」


罠を仕掛けているなんてガマガエルは完全に黒だね......

これは国外追放、確実だよ......


「拘束もしておこう」

「な、なにが拘束だ」


具現化魔法でロープの束を作る。


「めんどくさいから自分で縛って」


私は指をクイッとして、部屋にいたドブネズミたちに操作魔法をかける。


「誰が縛るか!!手が勝手に!なぜだ!」

「では、ごゆっくり」


私はくるっと回って、また走る。

次の部屋に到着する。


「当たりだったらいいな!」


私は扉を今度は蹴破る。


ビンゴ......

これはひどい......

おりのようなところに数人ずつ女の子が捕われている。


「あなたは誰......?」


扉の近くの檻に捕らえられていた一人の女の子が私に聞く。

私は、女の子には笑顔だけ返し、部屋中に聞こえるように高らかに宣言する。


「私は、シャティリア。貴族警察よ」

「噂には聞いていたがこんな小さな女の子が.....」

「小さいは余計です」


私は、むぅ、とほっぺを膨らませて怒る。

気を取り直して、宣言する。


「あなたたちの選択肢は3つあります。1つはここに残る。1つは私がお世話になっているクラウド様の屋敷に来る。クラウド様の屋敷では、あなた方の意見を尊重します。そしてもう1つは街で自由に暮らす。あなたたちの未来は自分で決めなさい。私はあなたたちにきっかけを与えるだけです。それ以上のことは致しません」


私は指をパチンと鳴らして、魔法で部屋の中の女の人の拘束を解いて、檻を開ける。


2つの回廊魔法を起動する。

1つはクラウド様の屋敷に、1つは街の宿屋の一室に繋がっている。

瞬間移動先には、クラウド様の元奴隷の使用人たちが、衣服などを準備して待っている。


「また、自由になれる日が来るなんて......」

「感謝します......」

「この日をどれだけ待ち望んだか......」


「シャティリア様、夫は?夫は無事でしょうか?」

「 ”様” は要りません。シャティーとお呼びください。男性の奴隷の方々は今から捜索しますから」

「よろしくお願いします......」


私は笑顔で任せて下さいと答える。


魔術具の電話が鳴る。

私は魔力を流して受け取る。


「ちょっと、シャティー、手伝ってくれるかな。男性の奴隷を運悪く解放したんだけど、屋敷の警備が厳重で」

「運悪くって......分かりました。行きますから、こらえていて下さい」

「助かるよ。お茶会室から左に出て、突き当たりの絵の裏に隠し通路があるから、そこから入って」

「承りました。頼りないご主人様っっっ!」

「ははは......」


私は回廊魔法を起動する。


「きゃっ!」


メイド姿の女の子が尻餅をついて出現する。


「ごめん、セレス、ここ、頼んだ。クラウド様、助けてくるから」

「いつも通り、ここで見ていますね」

「ありがとう」


私は回廊魔法でお茶会室まで、ショートカットして、クラウド様を救出に向かった。

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