013
私と、クラウド様は、奴隷貴族にいる部屋の前に来た。
「ドアを破りますね」
私は、爆風魔法でドアを吹き飛ばす。
「シャティー、もう少し、お淑やかな開け方は出来ないのかい?」
「あ、はい......」
いつもは後ろ回し蹴りや、パンチで開けてるとは到底、言えないね......
「あなたたちは何?穏やかではない登場だけど」
「私は貴族警察です。フッカ伯爵の不正な奴隷売買の罪により、あなたを拘束します」
「はあ?何?貴族警察?それって奴隷を解放しているって噂の機関じゃないの?」
「はい、奴隷の方も解放しております」
「何で、私が捕まらないといけないわけ?」
私は横槍を入れる。
「あなたがフッカの奴隷の理想郷建設に手を貸していたんでしょう?」
「はあ?そんなわけないじゃない!私は、夫にあの毛深いブタの奴隷になれって言われて、無理矢理この首輪をつけさせられたの!捕まるなんて、あり得ないわ!」
「「えぇ......」」
私とクラウド様は読みが大外れして、その場で固まる。
「それに、この小さなガキが貴族警察なの?助けを待ってやっときたのがこのチビ?なんか、期待外れね」
ごめんなさいねー、チビでガキで貴族警察で!!
私はむぅ、と口を尖らせる。
「シャティーは立派に働いていますわ!少なくともこの牢屋みたいな部屋でダラダラしてたあなたと違ってね!」
私は後ろから、聞き覚えのある声がしたので振り返る。
「セ、セレス!何でここに」
「シャティーが全然、向かいに来ないから、うろちょろしてたら、声が聞こえたからきたのよ。シャティー、何この無礼な奴隷」
「いや、奴隷というか、貴族というか、被害者というか」
私は曖昧な返事をする。
奴隷貴族がセレスに言う。
「何、この口の悪いメイドは。あんた、その奴隷のメイドなの?奴隷以下の存在ってこと?ふふふ」
「ふふふ、そうですね!!!私は奴隷のメイドですけど何か?奴隷さん!!!」
セレスはとてつもなく笑顔だが、怒っているのは明白だ。
「奴隷じゃなくて、キ・ゾ・クよ!!!」
「あら、その首輪は、チョーカーかしら?首輪型のチョーカーなんて変わった趣味なのね!!!」
「ちょ、ちょ、ちょ、セレス?あなたも落ち着いて!」
私は間に入って止めようとしたが、全く止まらない。
「決闘よ!!!」
「もちろん受けるわ、その勝負!!!」
「ちょ、血みどろの争いなんて誰も......」
「誰が殿方のやるあんな汗臭い決闘をやると言ったのよ」
「そうよ、シャティー、女性のやる決闘は、料理勝負よ!」
「そこのメスガキ奴隷の舌を唸らせた方が勝利でいいわよね」
「もちろんいいわよ!あなた、シャティーの好物を理解しているのかしら?」
「いいハンデだわ」
「言うじゃない、気に入ったわよあなた」
「ちょっと、教えなさいよ?何が好きなの?」
自信満々にハンデだわって言った割には小声で聞きに来るんですか......
「えぇ......アルプパイです......」
2人は私とクラウド様を置き去りにして、この豪華な一室のキッチンに向かって行った。
「クラウド様、どういう展開なんですか......」
「僕にもわからないよ......」
クラウド様と顔を見合わせている時、大きな魔力を感じた。
「あ、毛深いブタがお目覚めかも」
「魔力でも感じたのかい?」
「はい、ちょっと、ぶっ飛ばして拘束してきますね」
「僕も行くよ、どーせ、いうこと聞かないぼんくら貴族だろうし」
「お願いします!」
私はキッチンのところに行く。
「ちょっと、ブタをぶっ飛ばしてきます」
「「ぶっ飛ばすの頑張って!!!」」
2人は私に、親指を立ててグーサインで見送ってくれる。
なんか仲良くなった?息が合いすぎ、この2人......
「クラウド様いきましょう」
「ああ!」
私とクラウド様は走る。




