011
探索魔法を使う。
地下のフロアよりも広範囲に探索する。
全く人気のないエリアで6人の反応がある部屋がある。
「明らかに怪しい......クラウド様はつかまって尋問されているのかもしれない」
私は身体強化魔法を使って、走る。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎
人の反応のあった部屋にたどり着く。
「爆風魔法!」
ドアをぶち破ろうと、魔法を使うが、そよ風しか出ない。
あたりを見渡す。
解除魔法の魔術具が天井、壁に所狭しと並んでいた。
魔法を使えなくして、武術に長けた傭兵奴隷を使って、守ってるってわけね。
さっきみたいに、狭い範囲で魔法を使うしかない。
「グアアア!」
中から、クラウド様の声が聞こえた。
急がないと......
「爆風後ろ回し蹴り!」
ドアはバコーンと開いた。
「なんだ!」
「クラウド様!」
クラウド様は壁に両手を縛り付けられて、殴られていたようだ。
「シャティー、なぜ来た!撤退だと言っただろ」
「私が、クラウド様を置いて、撤退するとお思いですか!!」
「ああ、もう、君は分からず屋だな!!」
「物分かりが悪いですよ!私は!!」
「お前は何だ!捕まりに来たのか?」
「あなたたちをぶん殴りに来たに決まっているでしょう!!」
「ふざけるな!!」
男の一人が私に、パンチをする。
「身体強化魔法!!」
私はパンチを躱して、パンチを返す。
「爆風魔法!」
「グアアア!」
男は気を失ったようだ。
「魔法だと!何で使えるんだ!」
「何で、こんな、ちんけな魔術具で魔法を封じられると思ったの?」
私は地面を蹴って、距離を一気に詰めて、前に宙返りして、かかと落としをする。
「爆炎魔法!」
炎を纏った私のかかとが、男の頭に当たる。
そのまま、地面に伏せる。
あと4人!!
男に一人が私の背後に迫って、ナイフを突き出す。
私は髪の毛だけかすめるギリギリで躱す。
ガードが甘くなった男の脇腹に肘打ちをする。
「な!」
「爆風魔法!!」
男は吹き飛ぶ。
あと3人!
違う男が、ナイフを持って飛びかかってきた。
「ひゃっふー、しねーー!」
そんなに飛び上がってどうするの?
狙って欲しいの?
「水の龍の魔法!!」
小さな龍が、私の手のひらから出現し、飛び上がった男に噛みつく。
「グアアア!!」
また1人、ノックダウンした。
あと2人!!
「待て、そこを動くな、奴隷!!」
「そんなの!関係ない!」
「おっと、本当にそうかな?」
1人の男がクラウド様の首元にナイフを、もう1人の男が私とクラウド様の間に陣取っている。
身体強化魔法で一気に間合いを詰めて、ナイフの攻撃を逸らしたいけど、間にいる男に邪魔をされたら......間に合わない......
「状況を理解したようだな!奴隷!」
「僕はいいから、シャティーは逃げるんだ!」
「黙れ!」
クラウド様は、お腹を殴られて、口から血を吐く。
「何もしないから!言うことを聞くから!クラウド様にひどいことをしないで!」
「メスガキのくせに話がわかるじゃないか!」
「シャティー......」
「ふっ、奴隷の癖にその偉そうなドレスを着やがって」
「あなたたちだって奴隷の癖に、偉そうな服を着てるじゃない!」
2人の男は、腕をまくり、腕につけているものを私に見せる。
「貴族の......ブレスレット......?」
「俺たちは貴族だよ」




