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親友が酷い目に遭いそうなので二人で逃げ出して冒険者をします  作者: ふるか162号
最終章 神殺し編

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78話 エピローグ1

最終話まで一気に投稿します。


 ベアトリーチェを永遠の地獄に閉じ込めてから五年が経ちました。

 私はエレンやカチュアさんと共に、冒険者として毎日を楽しく生きていました。

 ……嘘です。

 最近は指名依頼と言い、サクラさんが嫌がらせの様に仕事をさせるので少し疲れ気味ではあります。

 今日は久しぶりのお休みです。エレンやカチュアさんは別のお仕事なので、私は久しぶりにリーン・レイの皆さんに会いに行く事にします。

 

 最初に会いに来たのは、オリビアさん達です。

 オリビアさんは聖女として、エラールセのアブゾル教会に赴任が決定しました。ダインさん達も一緒にエラールセの教会で働いていると聞いていますが、皆さん元気でしょうか……。


 私はエラールセの教会の前に立ちます。アブゾル教は、五年前と比べて随分と変わったと聞いています。


 まず、主要都市の教会に、それぞれの教会専属の聖女と大司教が置かれる事になりました。

 各教会に聖女を置く事により、ファビエでの聖女の悲劇を未然に防ぐ事が目的だそうです。

 聖女は一人だけ勇者を選定する事が出来るので、かつてのタロウのように、教会に意味不明に優遇される勇者は出ないとも言っていました。

 まぁ、また下らない事を企む輩が現れたら、私が潰しに行くだけなのですがね。


 私はエラールセの教会へと足を踏み入れます。そして、入り口付近にいた神官さんにオリビアさんに会えないかを聞いてみます。

 オリビアさんは私のおもちゃだった時とは立場が違います。もしかしたら、会えないかもしれません。……と思っていたのですが、どうやらこの神官さんは私の事を知っていたようで、すぐに「お待ちください! オリビア様に伝えてきます」といい教会の奥へと走って行きました。


 しばらく待っていると、さっきの神官さんとダインさんとジュリアさんがやってきました。

 二人は私を見ると、駆け寄って来てくれました。


「レティシアちゃん。久しぶりだな」

「ひさしぶり、レティシアちゃん」

「お二人供、元気そうですね」


 お二人と戦士のビックスさんは、聖女であるオリビアさんを守る聖騎士になったと聞いています。とはいえ、冒険者としての仕事もごくまれにしているとトキエさんから聞いています。

 最近、ギルガさんが「リーン・レイのメンバーがあまり拠点に顔を出さない」と寂しそうにしているとも聞いています。


「ギルガさんが寂しいと言っていたそうですよ。聖騎士のお仕事もいいですが、冒険者は辞めちゃうんですか?」

「ははは。いや、俺達も冒険者を辞めるつもりはないよ。オリビアの聖女の任期が終われば、また冒険者としての活動に復帰するつもりさ。今の話を聞く限り、レティシアちゃんもセルカには戻っていないのか?」

「はい。今は別の場所を拠点として活動していますので、トキエさんにはよく会いますが、ギルガさんとは一年近く会っていません」

「そりゃ寂しいだろうな。ギルガさんからすればレティシアちゃん達も娘みたいなモノだろうからな」

「はぁ……」


 まぁ、そう言われて悪い気はしませんね。後でギルガさん達にも顔を出しておきましょう。


「ささ、オリビアが待っているぞ」

 

 私はダインさんに連れられてオリビアさんの部屋へと向かいます。オリビアさんの部屋は一番重要なので、教会の一番奥にあります。しかし、聖女という事で、一国の王様並みに訪問客が多いとも聞きました。


「よく、会える事になりましたね」

「あぁ、相手がレティシアちゃんだからだよ。結構無茶な調整をしたみたいだな」


 そう言って、ダインさんは笑います。

 時間を作ってくれた事はとても嬉しいです。オリビアさんと会うのが楽しみですね。


 しばらく歩くと聖女の自室へと到着しました。私が扉を開けようとすると、その前に扉があきました。

 扉を開けたのは、オリビアさん自身でした。


「オリビアさん」

「レティシアさん」


 私は流れるようにオリビアさんの胸を鷲掴みにしてしまいます。その瞬間、ダインさんに頭を叩かれてしまいました。


「何をしますか」

「会って数秒で胸をもむんじゃない!!」


 はて?

 怒られてしまいましたよ。でも、オリビアさんの大きな胸が悪いんです。

 私はしばらくオリビアさんの胸を堪能した後、私達は近況を楽しく話し合います。

 一時間ほど話していると、オリビアさんの無理に作った時間が無くなってしまったそうで、ここでお開きになりました。


「今度はもっと時間を作るからね」

「はい。楽しみにしていますね」


 私はオリビアさん達と別れ、今度は新しくなったギルド学校へと向かいます。

 ギルド学校には、危険な人と脳筋戦士さんとサジェスさんがいるはずです。あ、噂によるとアセールもギルド学校で教鞭を振るっていると偉そうな事を言っていたと聞きました。他には、スミスさんも学校に臨時教師をやっていると危険な人が言っていましたね……。

 今日は誰に会えるでしょう。


 ギルド学校は、機械兵達に破壊され尽くされたのですが、アセールが弟子数人とわずか半年でギルド学校を治してしまいました。いえ、前のギルド学校よりも立派になっていました。

 学長であったシュラークさんが死んでしまった後、学長に選ばれたのは危険な人ことイラージュ先生です。

 彼女? は学生に怖がれはしていましたが、尊敬もされていたのですぐに学長として受け入れられたそうです。

 私は危険な人を訪ねて、学長室に入りました。すると中では危険な人……ではなく、サジェスさんが事務仕事をしていました。


「ん? 客か? 今は……って、レティシアじゃないか」

「お久しぶりです。ところで、どうしてサジェスさんが学長室で仕事をしているのですか? 危険な人は見た目が危険だったので学長をクビになったのですか?」


 私がそう言うと、サジェスさんは呆れた顔で頭を掻いていました。


「いやいや。イラージュはロブストと出張に行っているだけだよ。ギルド学校にも分校が出来たからな。たまに学長が分校の方にも顔を出さなければいけないんだ」


 そう言えば、何年か前にアセールが分校も作ったとか意味の分からない事を言っていましたが、そういう事ですか。理解しました。


「はて? 危険な人が分校に行かなきゃいけないのは理解しました。しかし、どうして脳筋戦士さんも一緒に行っているのですか?」

「あぁ……」


 どうやら危険な人と脳筋戦士さんは結婚しているらしく、新婚旅行をさせろとサジェスさんに懇願してきたそうです。あまりにもしつこかった為に、サジェスさんも渋々許可を出したそうです。


「まぁ、その分、ボーナスという形で返してもらうからいいんだけどな。私のボーナス分をアイツ等の給料から捻り出してやる」


 サジェスさんはそう言って悪い顔になっていました。楽しそうで何よりです。


「という事は、危険な人と脳筋戦士さんには会えそうにないですね。アセールかスミスさんは学校にいるのですか?」

「いや、二人供本職の方が忙しいみたいで、最近はギルド学校に来る事も少なくなったな」


 むぅ……。

 という事は、ギルド学校にはサジェスさんしかいないという事ですか。残念ですが、サジェスさんとお話しできるからいいでしょう。

 私はしばらくサジェスさんとお話しした後、学長室を出ようとしました。


「では、今度はいつ休みになるかは分かりませんが、また来ますね」

「あ、レティシア」

「なんですか?」

「アレスとマリテにもたまには会いに行ってやれよ。子供も元気にしているんだからよ」


 もちろん会いに行くつもりですよ。

 アレスさんとマリテさんの娘さんにも会いに行きたいですからね。


「もちろんです。というよりも次はアレスさん達に会いに行ってきます」

「あぁ、アレス達にもよろしくと言っておいてくれ」

「はい」


 学長室から出た私は、アレスさんの故郷へと転移しました。

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