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親友が酷い目に遭いそうなので二人で逃げ出して冒険者をします  作者: ふるか162号
最終章 神殺し編

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74話 自業自得

誤字報告 いつもありがとうございます。


 ベアトリーチェはテリオスが一瞬で爆散した跡を、理解不能といった表情で見ていました。


 私としても、なぜ爆発したかまでは分かりません。ドゥラークさんが使った時は、殴った時ゆっくりと弾けていったような気がしましたが、なぜ私の場合は、体感時間が元に戻るまで無反応だったのでしょう?

 まぁ、分からない事は後で考えればいいです。どうせベアトリーチェ戦では使えそうにありませんからね。


 どうやら、あのトカゲ変身は一度使うとしばらく使えないみたいです。まぁ、使えたとしても、ベアトリーチェ相手には使うつもりはありませんでしたが……。


 ベアトリーチェは、若干青褪めた顔と震える声で「な、何をした。テリオスはなぜ消滅した?」と聞いてきました。

 何をしたと言われても、私も良くわかっていませんから、説明できません。


「そんなことどうでもいいじゃないですか。幸い、断空結界内では私と貴女だけです。最後の戦いを始めましょう」

「ぐ……。そ、そうだね。君との因縁にもそろそろ決着を付けようか……」


 因縁ですか。

 どちらかと言えば、ベアトリーチェの方からちょっかいをかけてきているように見えていましたが。

 私は粉々にしたファフニールを元の形に戻します。


「そろそろ決着を付けようと言うのは、賛成です。よくよく考えたら、元々私はエレンと冒険者をしたかったんです。貴女達が余計な事をしなかったら、私は貴女に関わらなかったですからね」


 まぁ、そのおかげでリーン・レイの皆さんに出会えましたから百歩譲って、私に関わった事、それは不問としましょう。

 しかし、私は自由気ままに冒険者をしたいのです。それなのに、このベアトリーチェというアホのせいで散々な目に遭わされてきたのも事実です。


「そ、そのようだね。だが、君の仲間が各地に放った私の部下をすべて倒した」

「貴女も気付いていたのですか?」

「当然だろう。私の部下達には、私の一部が仕込んであったのだからな」


 へぇ……。

 それはつまり……。


「理解したみたいだね。今の私は完全体だ!!」


 ベアトリーチェはヒヒイロカネの剣を取り出します。どうやら剣も使えるみたいですね。

 しかし、皆さんが戦った敵にベアトリーチェが仕込んであったとは……。

 む?


「本当のと言いますが、ベルは今も無事の様ですが?」

「ふん、あんな不完全なものは必要ない!!」

「そうですか……」


 まぁ、今更ベルを吸収しようとしても、吸収できないようには小細工はしていましたが、それを披露できなかったのは少々残念です。


 しかし、完全体というくらいですから、どれほど強くなったのかがとても楽しみです。


「さぁ、君の強さとやらが完全体の私に通用するかを見せてもらおうじゃないか!!」


 見せて欲しいと言うなら、見せてあげますよ。

 私は小手調べに、【身体超強化・神速】を使い目を閉じ(・・・・)ベアトリーチェをファフニールで殴りかかります。一撃では面白くないので、流れる様に十回ほど剣を振ります


 はて?

 すべて綺麗に入ったように感じましたけど……。


「ぐ……ぅ……」


 ベアトリーチェはすべての攻撃を受けたみたいで、両足が曲がってはいけない方向に曲がり、顔もベコベコになっていました。


「小手調べのつもりで目を閉じて適当に攻撃してみましたが、一撃も防げなかったのですか? まさかと思いますが、寝ていたのですか?」


≪ベアトリーチェ視点≫


 ば、馬鹿な……。今のを目を閉じて適当だと? 的確に急所と関節をピンポイントで狙ってきていたぞ!? それに、今の速度と馬鹿馬鹿しくなるようなこの力は一体何なのだ!?


 私は、こんな小娘にコケにされるために五百年もの間、裏で暗躍してきたわけじゃない。


 私は神族を恨む。

 神族は誰も許さない。女神であるディザイヤだって、利用できるから利用しているだけだ。


 殺してやる。

 私の父と母を殺した神族を許さない。


 確かに父は母を騙し私を産ませた。

 父はちょっと神界を手に入れようとしただけだ。そうすればもっと自由に悪事を働けたから。それのどこが悪い!!

 神族の命など、魔霊族の命に比べたら重みが違うだろう!! 数の多い神族を少し間引きしただけじゃないか。それすら罪になるのか!? 


「はて? 私も殺人をしても悪いと思ってはいませんけど、神族からしたら貴女の父親は十分な罪人ではないのですか? それを逆恨みして、この世界で好き勝手やった……。完全な自業自得ですよね?」

「な!?」


 このチビ、なぜ私の考えている事を読んだ?


「自分の行ってきた事は自分に返ってくる。それを自業自得というのですよ。私だって、自由にやっていますから、タロウの様に私に対して復讐だと言っていましたが、それも仕方ないとかかってきたら、返り討ちにしてやるつもりでしたよ? あぁ、自業自得とはいえ、無抵抗で仕返しされてやるつもりはありません。まさかと思いますが、貴女はやられたらやり返される。そんな事も分からずに、この世界で暗躍していたのですか?」

「ふ、ふざけるな……。それなら、お前の行いのせいで神族を……、サクラを敵に回したらどうするんだ!! お前でも勝てないんじゃないのか!!」

「え? 全面戦争ですよ? 当り前じゃないですか。勝てる勝てないはともかく、仕掛けられたら素直に殺されてやるつもりなんてないですよ。私が素直に殺されてあげるのは、エレンとカチュアさんが相手だった時だけです。まぁ、あの二人は私を絶対に裏切らないと信じていますけどね」

「ざ、戯言を……」


 クソっ。

 こいつの言葉がいちいちムカつく。

 私は自分の体の損傷を見る。やはり、四肢の関節がすべて砕かれている。それに首と背骨。肋骨も砕けているか……。後は腰、両掌も砕かれている。これをあの一瞬で行ったのか?

 

 クソっ、これが【鬼神】の力すら使っていない状態か!?


 ふ、ふざけるな……。


「そうですよ。せめて私に【鬼神】の力を使わせてくださいよ」


 また、心を読まれた!?

 こ、こいつ……、サクラと同じ【読心】の能力を持っているのか!?


 ば、馬鹿にしやがって!!

 私は自分の体にゴスペルヒールをかけて立ち上がる。

 そして、全ての神気を解放させる。


「見せてやろう!! 魔霊族の恨みを受け継いだ私の本気を!!」

補足 ベアトリーチェはレティシアの【神眼】を知らないので、サクラと同じ【読心】の能力を持っているのか、と勘違いしています。

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