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親友が酷い目に遭いそうなので二人で逃げ出して冒険者をします  作者: ふるか162号
最終章 神殺し編

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43話 機械兵襲撃


 学校に駆け付けたのは、私とグローリアさんでした。

 グローリアさんは王様なので、前線に出るのはどうかと思うのですが、あの中では私の次に強いですから、死にはしないでしょう。


「おいおい……。あれがお前の言う機械兵かよ……」

「私が倒したのよりも大きいですねぇ……」


 駆け付けた私達の前には、学校をせっせと壊す大型の機械兵が七体近くいました。

 大きさは……、グラーズの五倍くらいでしょうか。

 私は壊れたギルド学校を見ます。


「グローリアさん、妙じゃないですか?」

「ん? 何がだ? 俺はあんなでかい図体の奴をどう倒すか、それの方が気になるが……」

「あんなにデカ物が暴れているというのに、人の死体は転がっていません」


 私がそう言うと、グローリアさんもギルド学校だった瓦礫を見ます。

 やはり、人の死体は転がっていません。

 誰も死んでいないという事があり得るのでしょうか?


「とりあえず、あのデカ物を始末しましょうか?」


 私が機械兵を壊しに行こうとすると、「レティシアちゃん!?」と呼ばれました。

 はて?

 声がした方に視線を移すと、危険な人が駆け寄ってきました。


「レティシアちゃん。グローリア陛下、どうしてここに?」

「危険な人こそ、どうしてここに居たのですか? セルカに避難していたんではないのですか?」


 危険な人は、ギルド学校からの要請を受けて、臨時講師としてこちらに来ていたそうです。

 学長のシュラークさんがいなくなっているので安心と思っていたら、機械兵が突然現れて学校を壊し始めたそうです。


「ところで人の死体が転がっていませんが、喰われるか、焼き尽くされるか、しましたか?」

「いいえ、避難が済んでいるから、誰も死んでいないわ。あの巨大なゴーレムが襲ってくる前に、生徒や教師を逃がす事が出来たのよ」

「はて? あの機械兵は人を狙ってきたのではないのですか?」

「見ての通り、あのゴーレム達は建物のみを破壊しているのよ」


 はて?

 機械兵は学校だけを壊しに来たという事ですか?

 グランドマスターがもう必要ないと思い破壊を命じたのでしょうか。それとも……。


「そう言えば、アセールはどこにいるんですか?」

「え? エラールセに匿われているはずよ」

「グローリアさん」

「あぁ、イラージュの言う通り、アセールはエラールセ城に匿っている」


 ふむ……。

 もしかしたら、グランドマスターを裏切ったアセールに対しての嫌がらせなのでしょうか?

 どちらにしても、人的被害がないのでしたら、このまま放置してもいい気がしますね。

 しかし、私一人で判断するわけにはいきませんから、グローリアさんにもちゃんと確認はとっておきましょう。


「グローリアさん。あの機械兵共は学校を壊すだけみたいですから、放っておきますか? おそらくですが、人的被害も出ないでしょうから……」


 私がそう言うと、グローリアさんは少しだけ悩むようなそぶりを見せます。

 しかし、グローリアさんが答えを出す前に、私達に話しかけてくる人物が現れました。


「あはは。君達は、何を勘違いしているんだい?」

「はて?」


 危険な人は、話しかけてきた人物を見て驚いているみたいです。

 まぁ、驚いているのには、私も少しだけ分かります。


「な、なぜ、貴女が生きているの? い、いえ。前に倒したのは偽物だったという事かしら?」


 確か、前にこの人がやってきたのはベルを匿った時でしたかね?

 危険な人が倒したとは聞いていましたが……。


「くくく……。私が貴女程度に殺されるとでも?」

「シュラーク……。その若い姿を見る限り、ベアトリーチェに魂を売ったのね……」


 確かに今のシュラークさんは学校で会った時よりも若く見えます。後気になるのは……、大罪と同じの魔力をまとっている事でしょうか。


「あはは。イラージュの疑問に答えてあげよう。私達(・・)は、ベアトリーチェ様がいる限り何度でも蘇るんだよ!!」

「へぇ……。人間を辞めたのかしら?」

「くはは。私は、人間を超越したんだよ。さて、君達にはここで死んでもらうとするよ」


 シュラークさんは元々戦闘能力は無かった人です。

 まぁ、ベアトリーチェに改造されているでしょうが、それでも危険な人には勝てないでしょう。

 そう思っていると、シュラークさんが手を上げます。すると、機械兵達がシュラークさんの後方に集まります。


「な!? シュラーク!! あんた、ゴーレムを操れるの!?」

「私がここに居る事が答えだろうが!! 機械兵も操れないのに、ここに居るわけがないだろう!!」


 はて?

 危険な人が言うには、ゴーレムを操るには莫大な魔力が必要で、操っている間も常に魔力が消費されるそうです。

 しかし、今のシュラークさんを見る限り、ゴーレムを操れるような莫大な魔力を感じません。


「シュラークさん。正直に言ってもいいですか?」

「なんだい、レティシアちゃん」

「貴女程度で、私を止められるとでも? それに、後ろの機械兵がどれだけ大きくても、私にとっては、ただの鉄屑と何一つ変わらないのですよ?」


 あの大きいのが、仮にグラーズと同じ力を持っていたとしても、今の私にとってはただの雑魚です。

 それが大きくなったからと言って、どうだというんですか?


「ふふふ。それは大きく出たね。でも、ここに居る機械兵は、かつて君が戦ったグラーズよりも遥かに強いよ?」

「そうなのですか?」


 私は見せしめに、機械兵の一体の頭の上に転移します。そして、思いっきり殴ります。

 機械兵は大きな音とともに、地面にめり込んでバチバチと雷を放っています。

 これは何かの攻撃ですか?

 では、さらに追撃しましょう。

 私は【破壊】の力を使って、機械兵を破壊しました。

 機械兵は、雷も放たなくなり、動かない鉄屑になってしまいました。


「この程度ですか?」

「さ、さすがにここまであっさりと倒されると思ってなかったよ……」


 シュラークさんはとても焦った顔になっていました。


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