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親友が酷い目に遭いそうなので二人で逃げ出して冒険者をします  作者: ふるか162号
6章 教会編

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12話 アマツの呪い


「ジゼルには、リーン・レイに入ってもらいますよ」


 きっとこう言うと、レッグさんが慌ててギルガさんが怒るのは分かっていました。

 別に、私のおばあさんのようなものだからといって、元敵に気を許すつもりもありません。

 しかし、私にも考えがあるのです。


 レッグさんは予想通りにギルガさんを呼びに出ていき、ギルガさんも予想以上に早く、この部屋に飛び込んできました。


「レティシア!! お前は何を考えている!?」

「はい? ジゼルは私のおばあさんのようなモノなので、リーン・レイに入れる事にしました」

「はぁ? 何を言っているんだ!?」


 ギルガさんは面白い顔をしています。その顔をトキエさんに見せればきっとウケますよ。

 ギルガさんの顔を見て楽しんでいると、姫様がジゼルの事を興味深そうに聞いてきました。


「ねぇ、レティ。どうしてジゼルがレティのおばあさんなの?」

「はい。ジゼルが昔作った研究所に、本当のおばあさんがいたそうです。その人は被検体という人らしくて「被検体だと!?」……、はて?」


 私がおばあさんの名前を言うと、ギルガさんが勢いよく机を叩き、ジゼルを睨みつけます。


「お前、グランドマスターに操られていたとは聞いたが、結局は人体実験をしていたんじゃないか!?」

「そうだよ。その件に関しては、申し開きをするつもりはないよ……。すべて真実だ」

「なんだと!?」


 ジゼルはギルガさんに凄まれても、気にもしていないようです。

 しかし、ギルガさんとジゼルは仲が悪いようですねぇ……。まったく仲良くしなくては駄目ですよ……。という冗談は置いておいて……。


「ギルガさん、落ち着いてください。ジゼルには協力してほしい事がありまして、リーン・レイに入ってもらいたいのです」

「協力してほしい事? それはなんだ?」


 ジゼルに協力してほしい事。

 私のおばあさんにアマツの力を埋め込んだという事は……。


「ジゼルには私自身の能力について協力してほしいのです」

「それは私も初めて聞く話だね。詳しく教えてくれないかい?」


 私はアマツとの決着をつけなければいけない事をジゼルに説明します。

 ジゼルはある程度理解してくれましたが、ギルガさん達は初めて聞く名に首を傾げます。


「アマツ? なんだそれは……?」


 アマツの事は私もさっき知ったばかりですから、ギルガさん達が知らなくても仕方ありません。


 今から説明しようとしたのですが、その前に素っ頓狂な声を上げた生物がいました。

 

『あ、アマツだと!? レティシア、それは本当の話か!?』

「はて? なぜ毛玉がここにいるのですか? 貴方がエレンのそばを離れてはいけないでしょう。殺しますよ?」


 私は毛玉の体を鷲掴みにします。そして徐々に力を入れ始めます。


『ぎゃあああああ!! ま、まて。お前、エレンから何も聞いてないのか!?』

「はい?」

『エレンはお前の巫女だろ? すでに私の力を使わずとも神の力を使いこなしている』

「そうなのですか? では、貴方はもう役立たずなのですね」

『なんて酷い言い方だ。どちらにしても、エレンにはヨルムンガンドとヨルムンが一緒にいるから何の問題もない』


 ヨルムンはかわいらしいペットですが、七竜の一匹であるヨルムンガンドが一緒ならば大丈夫でしょう。最悪、盾になってエレンを逃がす事が可能です。ヨルムンならきっと躊躇わずヨルムンガンドを置いて、エレンを連れて逃げてくれるでしょう。私が、そう教えましたから。

 それに、セルカの教会はまだ安全でしょうし。


「ところで、毛玉はアマツを知っているのですか?」

『あぁ。アマツは鬼神だ。そういえば、お前の力は鬼神おにがみだったな。似ていると思っていたが、まさか関係があるとはな』


 毛玉にアマツの事を説明しようとしましたが、私もアマツの事を何も知らないのでジゼルに説明してもらいます。

 

 ジゼルは快く毛玉にアマツの事を説明しています。

 普通はあんな得体のしれないモノと話しているというのに、冷静とはジゼルもやりますねぇ……。

 普通なら抹殺対象でしょう。



『なるほどな……。アマツの力を人間にか……。しかし、よくその人間……、レティシアの祖母は死ななかったな』

「どういう事だい?」

『今、お前にアマツには【神殺し】の力があると言っていたが、私の知っているアマツにはある能力がある。いや、あれは呪いだな』


 呪いですか……。


「どういう事だ?」


 ジゼルでも知らない事ですか。いったいどんな能力なんでしょう?


 しかし、ジゼルならばアマツの能力を見れたと思うのですが……。なぜ、知らなかったのでしょう?

 それに……。


「ジゼルはアマツの特殊能力をどうやって知ったのですか? いくら特殊能力が見えたとしても、死んでいれば見えないでしょう?」

「ん? 特殊能力? あぁ、スキルの事か。タロウがそう呼んでいたから、いつの間にか私もそう呼ぶようになってしまったな。ベアトリーチェがアマツの死体を持ってきた時に、【神殺し】の事を聞いた」

「べ、ベアトリーチェだと!?」


 ギルガさんがジゼルの口からベアトリーチェの名前が出てきて驚いています。

 確かに、ベアトリーチェはエラールセの学校で殺した事になっていますからね。

 ……しかし。


「しかし、ジゼルはアマツの特殊能力が見えていたんじゃないんですか? タロウの能力を把握していたんですから」

「見える? それは違うよ、忌み子ちゃん。私がタロウの能力を把握していたのは、タロウの能力を管理していたのが私だからだ。タロウに能力を植え付けていたと言っていいかもな」

「では、リディアさんのように【神の眼】という能力は持っていないと?」

「【神の眼】? 聞いた事のないスキルだな」


 ジゼルですら聞いた事のないという事は、リディアさんの【神の眼】は相当珍しい能力という事ですね。


「しかし、ジゼルの印象がかなり違うな。タロウと共に戦っていた時は、もっと悪意に満ちていたのにな……」


 ギルガさんがジゼルを見ながらそんな感想を言います。

 確かに、あの時のジゼルは今のジゼルとは違いすぎます。それも後で聞いてみましょう。


「それで、毛玉に聞きたいのですが、アマツの呪いとは何ですか?」

『あぁ……。それは……。【鬼神化】だ……。人間に耐えられるわけがない』

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