3話 治療
今回はものすごく短いです。
どうして忌み子ちゃんが血塗れで倒れているんだ?
誰にやられた? そもそも、忌み子ちゃんを倒しきる相手がいるなんて……。
いや、今はそんな事を考えている場合じゃない。早く治療しないと。
私は忌み子ちゃんを治療台に運ぶ。
そして、忌み子ちゃんの体を調べるのだが、顔色が悪い。
血の量を考えれば造血剤を使おうか……。
いや、血の型が分からないから、魔法で血を増幅させるとしよう……。
「ヒール系統の魔法を使うか? いや、見たところ体には外傷がない。目立った外傷は頭だけか……」
私は傷口を詳しく見る。後ろから殴られたのか?
いや、鈍器で殴られた跡はない。
「傷口から見て斬りつけられたわけでもなさそうだな……。どうも内部から血が噴き出した傷に見える」
どうやったらこんな傷ができるんだ?
今は考えていても仕方ない。
エンジェルヒールで頭部の傷口を塞ごうとしたが、塞がらない。
「なんだ? この傷は呪いの類でもかけられているのか?」
私は傷口を消毒して、止血剤を塗ってからガーゼを当てる。
これで血を止める事は可能だろうと思っていたが、血が止まらない。
「どうやら、本当に呪いの類なのか?」
そうなると、あの魔法を使うしかない。アレならば、きっと治療できるはずだ。
だが、本来は私では使えない魔法だ。まだ、研究中だが使うしかない。
「聖女の魔法を使うのは気が引けるが、うまく成功するといいがな……」
私が使おうとしている魔法は、ゴスペルヒール。聖女にしか使えない最高の治療魔法だ。
レティシア達との戦いで、何度かエレンが使っているのを観察し、研究を進めていた。
実際に人間には使う事はなかったが、動物には成功したから問題ないはずだ。
「このくらいの傷なら、エンジェルヒールでも治療可能だと思っていたんだが、この傷は一体……」
ゴスペルヒールも何とか成功し、レティシアの顔色も元に戻る。
どうやら、造血の魔法も上手く作用したようだ……。
「これでひとまず安心だな。しかし、どうして忌み子ちゃんがここに? まさかと思うが、私を殺しに来たのか?」
忌み子ちゃんからすれば私は敵だ。私が生きているとどこかで聞いて始末しに来たと考えた方がいいだろう。
ふふっ……。
神の王とやらに助けてもらったみたいだが、随分と早くにこの世から去る日が来たようだ……。
いまさら死ぬのに恐怖は感じないが、この村の呪いだけは私自身で解きたかった……。
まったく無責任なモノだな……。
「さて、聞いてもらえるとは思えないが、せめて苦しまないよう殺してくれるように頼んでみるかな……」
そう思っていたら、腕を掴まれた。
「目が覚めたかい? 忌み子ちゃん……」
「あ、貴女は……。死んだのではないのですか?」
忌み子ちゃんは私を見て首を傾げている。
もしかして、本当に私を知らずにこの村に来たのは偶然なのか?
書いている最中はもう少し文字数あるかな? と思っていたけど、思ったよりもなかったです。




