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親友が酷い目に遭いそうなので二人で逃げ出して冒険者をします  作者: ふるか162号
5章 魔国エスペランサ編

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37話 四天王シーラ


 私は、シーラさんの能力を改変(・・)します。


 今までは、【創造】で作り出していたのですが、【再生】の力をうまく使えば、能力を改造できることに気付き、ヘクセさんで実験したので、間違いなく改変できます。


 まず、【身体超強化・筋肉】を、ドゥラークさんの身体超強化と同じ【段階・身体超強化】に改変します。それから【筋肉の呪い】は【破壊】します。こんな、意味不明な能力は必要ありません。

 他にも【筋肉美・勘違い】という害にしかならない能力も【破壊】しておきます。

 シーラさんの能力で唯一まともな能力である【桃色筋肉】は残しておきます。これは、かなり素晴らしい能力で、今のシーラさんの姿のままで、パワーと同等の筋力を持つ事ができるのです。いえ、スピードが殺されない分、パワー状態よりも強くなるでしょう。

 そう考えれば、今までの能力は何のために存在したのでしょう?

 最後は【魔力筋肉】。この能力も厄介で、莫大(・・)な魔力を筋肉に変換する……。意味が分かりません。

 しかし、この能力は変換すると面白くなりそうです。これを【魔力変化・雷】に改変します。 

 この能力を作った理由は、シーラさんの子供の頃の話を聞いたからです。

 シーラさんは子供の頃に『金色の武神魔王』という絵本の主人公の魔王に憧れたそうです。

 私は、シーラさんの憧れの形にする為に、ずっと研究を続けていたドゥラークさんの【段階・身体超強化】なら再現できそうです。

 雷属性にしたのは、今のシーラさんの髪の毛の色は赤色なので、髪の毛が金色になる様に帯電能力でも付けてみようと思った結果です。

 ふーむ。

 これでいいです。きっと、シーラさんなら使いこなしてくれるでしょう。いえ、むしろ、私が使いこなせるように遊んであげましょう。


「はい。出来ましたよ」


 私はシーラさんの胸から手を離します。


「え? 何も変化してないけど……」

「魔力を込めてください。普通に魔力を放出できるようになりますよ」

「う、うん」


 シーラさんは魔力を高めます。すると、シーラさんの赤い髪の毛が金色に変わります。


「な、なんだ?」

「いえ、絵本の『金色の武神魔王』に憧れていたと聞きましたので、身体超強化に組み込んでみました。ドゥラークさんと同じ【段階・身体超強化】を作って、雷属性を付けてみました。訓練すれば、雷属性の魔法も使えると思います」

「なに? お前は属性付加までできるのか?」


 属性付加?

 良く分かりませんが、属性を強化するのは簡単な部類です。


 クランヌさんはシーラをジッと見ています。


「凄まじい魔力だな。この国で一番魔力の高いマジックよりも高いじゃないか」

「そうですね。全く、ケンが俺よりも強いというのにもショックを受けていたのだが、シーラにも抜かれそうだな……」


 確かに、今の時点でマジックさんよりも紫頭の方が強いでしょうが、恐らくですが、少し遊んであげれば紫頭よりも強くなりそうです。


「しかし、『金色の武神魔王』か……。異世界の魔王のおとぎ話だったな。武術の神とまで言われているほどの強さと聞くな。まぁ、作者の創作の魔王だとは思うけどな……」

「本当にいるのなら会ってみたいですねぇ……」

「ふふ。流石におとぎ話の魔王には会えんだろう」


 まぁ、そうですよね。

 しかし、神族というのがいるのなら、もしかしたら存在するかもしれません。私は不老らしいので、そう考えれば、長く生きていればいつか会えるかもしれませんね。


「さて、これで私の役目は終わりました。エラールセに帰るまで日がありますし、マジックさんも強くなりたいようですし……」

「え?」

「こ、これは」


 紫頭が私を止めようとしますが、止まりませんよぉ~。


「明日は、四天王全員で遊びましょうか?」

「あ、遊ぶ?」

「はは。レティシア嬢はまだまだ子供だな」


 クランヌさんは楽しそうにしています。

 子供と言われるのは少し腹が立ちますが、新しいおもちゃで遊ぶのは楽しいですから、子供っぽいと言われてもおかしくはないですよね。そこは認めます。

 しかし、ここで紫頭が余計な事を言い始めました。


「クランヌ様……。コイツの遊ぶという言葉をそのまま信じちゃダメです。コイツがおもちゃと言って鍛えた結果が……、今、冒険者で癒しの聖女と呼ばれているオリビアちゃんです……」

「なに!? い、癒しの聖女って、治療師でありながら聖女以上の治癒魔法を扱うというあの冒険者か!?」


 はて?

 オリビアさんは癒しの聖女と呼ばれているのですか?

 イラージュ先生に聖女しか使えない魔法を使える方法を教えた後、オリビアさんにも同じように教えたのですが、イラージュ先生よりもオリビアさんの方が才能があったらしく、エレンをも超える治療魔法を使えるようになったと、エレンから聞きましたが、そんな風に呼ばれる事になったのですね。


「彼女は、いまでは各国がどうにか手に入れようとしていると聞いた事がある。聖女でないから、教会を敵に回す事も無いからな」

「ダメですよ。オリビアさんは私のおもちゃです。誰にもあげません」

「い、いや……。リーン・レイ所属というだけで、誰も手を出せずにいると聞いているが、いつかは強硬な手段を使う者も現れる事になるだろう」

「そうなれば、国であれば滅ぼしますし、組織であれば生まれてきたのを後悔させてやりますが?」


 私は笑顔でそう言います。

 私からすれば、国に住む者とかどうでもいいですし、仲間以外は基本どうでもいいので、私のおもちゃに手を出す人は許しません。


「わかった。私からも、リーン・レイに手を出せばどんな危険があるかという事は、ちゃんと説明するとしよう」

「そうですか。では遊びましょう」

「ま、待て!?」


 紫頭がうるさいので、殴って黙らせます。


「おい。ケンが泡吹いて失神しているんだが……」


 マジックさんは少し青褪めています。


「ははっ。レティシア、お前が遊びというぐらいだ、どんな愉快な遊びなんだ?」

「え? 今から模擬戦します。皆さん、私を殺す気でかかってきてください。私もそれなりに本気で遊びますから」

「な!?」


 私が笑顔でそう言うと、四天王やクランヌさんの顔が驚愕に染まっていました。

今年最後の更新です。


明日は投稿をお休みして、二日には更新しようと思っています。


では、皆さん良いお年を。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 筋肉、雷、金色・・・ ラージャンに進化した!?
[良い点] さあ、ゲームの時間だ(デデーン 何人生き残れるかな?
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