表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親友が酷い目に遭いそうなので二人で逃げ出して冒険者をします  作者: ふるか162号
5章 魔国エスペランサ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

172/325

17話 四天王パワー


 私と紫頭は、ブレインと同じ四天王のパワーの部屋へと向かっています。紫頭の幼馴染というくらいですから、立派な髪の毛を持っているのですかね?


「紫頭。パワーとはどんな魔族なんですか? 強いのですか? どんな髪型なんですか?」


 紫頭と幼馴染という事を考えても、どれほどの強さなのかは気になります。今の紫頭はブレインより強いですが、私と出会ったばかりの紫頭を考えれば、そのパワーという幼馴染も紫頭と同等、それ以上に強かったとしてもブレインよりは劣るでしょう。

 それと、やはり紫頭の幼馴染ですから……立派な髪の毛を……。楽しみです。


「あぁ。リディアに聞いた事があるんだが、アイツは名前を変えているんだよな」

「はて? そうでしたっけ?」


 もう随分前の事ですから忘れていましたが、確かにリディアさんは名前が違いましたねぇ……。でも、それが何なのでしょう?


「リディアが名前を変えたのに、お前は空気を読まなかったらしいからな。だから、事前に言っておく。実はな、パワーと言うのは偽名なんだ」

「偽名? エスペランサの四天王の地位がどれほどかは知りませんが、そんな役柄の人が、偽名でいいのですか?」

「あぁ、それはクランヌ様とブレイン様、もう一人の四天王には事情を話してある。もう一人の四天王の事は今は知らないが、クランヌ様が知っているから問題ないんだ。お前にも理由を話しておくが、アイツが……、シーラが偽名を使っているのは特別な力のせいなんだ」

「特別な力ですか? どんな力なのですか?」

「あぁ。アイツは女なんだが、魔力を高めると筋肉が肥大するんだ。魔力を少しでも使うと筋肉が肥大化してしまう為に、アイツは常に無力な状態か筋肉で肥大化した状態だったんだ」


 筋肉の肥大ですか。

 筋肉に誇りを持っている女性ならともかく、普通の女性であるなら、少し可哀想じゃないんですか?

 もし、筋肉に誇りを持っている女性だとしたら、わざわざ偽名を名乗らないと思いますし……。


「俺とシーラは幼馴染でな。アイツが幼い頃からあの力を嫌っているのを知っていた」

「では、なぜその力を生かせるエスペランサ軍に?」

「アイツはあの姿を嫌ってはいたが、同時に本当の姿のままの無力な自分も嫌いだったんだ。だから、この力は嫌いだけど、エスペランサの為に生かしたいと言っていた。それで、俺もアイツの心の負担が少しでも減る様に、エスペランサ軍に入ったんだ。そして、五年前にアイツが四天王になり、一人で大丈夫だと思ったから、俺はエスペランサ軍を辞めて冒険者になったんだ。俺にとってもエスペランサ軍にいた経験は良かったがな」


 なるほど。

 ぱ……シーラさんの話をする紫頭から、ヘクセさんと同じ匂いがします。


「なるほど。貴方もそのシーラさんに恋をしているのですね」

「ぶはっ!? な、なんでだよ。お前、その愛だの恋だのの小説を読んだの最近だろう?」

「そうですよ。一昨日読みました」

「はぁ……。お前は、人の意見や本の知識に染まりやすいんだな。一度エレンとカチュアに話しておくか……。まぁ、その事はいいとして、シーラは見た目も器量も良いからな。問題はあの特殊能力だけだ。それさえなければ、アイツには相手がいくらでもいるさ。わざわざ、アイツの隣にいるのが俺みたいな適当な奴である必要はねぇよ」

「そうですか?」

「おい。着いたぞ」


 紫頭と話し込んでいるうちにパワーの部屋に着いたみたいです。

 ふむ。他の部屋とは違い、扉が大きいですね。


「かなり大きな扉ですね。シーラさんという人はコレを開けられるんですか?」

「筋肉肥大したアイツは、このくらいの扉ではないと、出れない(・・・・)んだよ」

「はて?」


 紫頭は、大きな扉を叩きます。すると、大きな扉が少し開きます。


「なんだ?」

「おう、パワー。久しぶりだな」

「な!? け、ケンか!?」


 これがシーラさんですか。身長が紫頭の二倍以上あります。巨人族? いえ、これが筋肉の肥大ですか。大きいですねぇ……。

 しかし、このシーラという人は良く分かりません。筋肉肥大しているとはいえ、顔は整っています。赤い髪の毛を後ろで縛っているみたいですね。でも、筋肉のせいか、凄くアンバランスに見えます。これは見る人が見れば怖がるかもしれませんねぇ……。


「ん? そちらの子は?」

「あぁ。俺の冒険者仲間だ。中に入れてくれるか?」

「あ、あぁ」


 シーラさんは、私を見て少し残念そうな目をします。もしかして……。


「紫頭。私が邪魔なら適当に遊んできましょうか?」

「あ? 何言ってるんだ? 大丈夫だ。パワー、こいつにはちゃんと話してある(・・・・・)

「な!? わ、分かった。入ってくれ」


 シーラさんは私達を部屋に入れた後、筋肉肥大の魔法を解きます。いえ、魔力を極力抑えているみたいです。

 ……なるほど。

 紫頭が、見た目がどうとか言っていた理由が分かります。

 赤い髪の毛がとても綺麗な、少しきつめの印象を持つ美人さんです。

 魔力を放出させれば筋肉肥大になる。しかし、魔力を押さえると無力になってしまう。これでは普通に生活できないんじゃないんですかね。


「け、ケン。この子に私の事を話したってどういう事だ? ま、まさか、こ、恋人なのか!?」

「気持ち悪いのでやめてください」

「そんなわけねぇだろう。シーラ。こいつがレティシアだ。ブレイン様に聞いているだろう?」

「な!? こ、この子が!? 魔神サタナスを倒した……」


 魔神サタナス?

 あぁ、タロウの中にいたあの魔族ですか。

 正直な話、大罪の上澄みの集合体なんて強くもなんともなかったですよ。あんなのに何の価値が?


「シーラさん。一応言っておきますけど、魔神サタナスは弱かったですよ。アレはタロウの別人格として復活しましたが、今のタロウの方が強いかもしれませんね。勿論、今の紫頭にも倒せるでしょう」

「え!?」

「うーん。俺もレティシアが戦ったサタナスを見たわけじゃないが、大罪の上澄みしか使えなかったんだろ? それなら、俺にも何とかできそうだな」

「そうですね。大罪を使いこなしている貴方の方がよほど強いと思いますよ」

「な!?」


 今の私の言葉に、シーラさんは驚いているみたいです。

 もしかして、大罪は魔族の中では、タブーか何かでしたか?


「初めましてシーラさん。私がレティシアです」

「よ、よろしく。だが、エスペランサにいる間は、私の事はパワーと呼んで欲しいんだが……」

「む? わかりました」

「そ、それと……」


 シーラさんは少しモジモジしています。私でも空気を読めますよ。

 私はシーラさんの能力を視ます。どこまで視れますかね……。


【身体超強化:筋肉】【筋肉の呪い】【筋肉美:勘違い】【桃色筋肉】【魔力筋肉】


 な、なんですか?

 この筋肉に捕らわれたような特殊能力は……。

 この中で使えそうなのは……。

 これは少し考える時間が必要ですね。


「紫頭。暫くお二人で話してください。私は少しお城でブラブラしてきます」

「ちょっと待て。お前を一人にする方が危険だ」

「大丈夫です。絡んで来た奴には魔族かどうか聞きます。それで安心です」

「どこが安心なんだ?」


 紫頭は私を止めようとしますが、私は紫頭を一度殴り、その隙に外に出ます。

 シーラさんは紫頭と二人きりになりたいみたいですから、お邪魔虫は一人でお城を徘徊しながら、シーラさんの能力を考えましょう。


 私は一人でお城を見学します。白いお城は中も綺麗です。

 そう思っていたら、後ろから声をかけられました。


「おいおい、なんでこんな所にガキがいるんだ?」

「はて?」


 声がしたので振り返ると、青い髪の毛の線の細い人が立っていました。

 どうしてでしょう……。何かムカつきますねぇ……。

という訳で、パワーの性別と設定を大幅に変えました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 四天王辞めることになっちゃうけど、 スキル《破壊》して、適当なスキル作ってあげれば問題解決では?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ