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親友が酷い目に遭いそうなので二人で逃げ出して冒険者をします  作者: ふるか162号
4章 レティシアの学校生活

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34話 創世のお話1


「はて? 危険な人がどうして家にいるんですか?」

「あら? お帰りなさい」


 私達がエラールセの家に帰ってくると、イラージュ先生と黒蛇、それにヨルムンが仲良くお話をしていました。


「勝手に上がり込んでごめんね。この黒蛇ちゃんが竜神の一匹であるヨルムンガンドだというから、世界の創世の話を聞かせて貰おうと来たんだけど、別の話に花が咲いちゃってね」

「この世界の創世? あ、そう言えば、黒蛇の名前ってヨルムンガンドでしたね」

「そうだが? 我の名がどうした?」

「この前戦った魔王に進化したグラヴィが「自分はヨルムンガンドの生まれ変わり」と言っていたのですが、黒蛇。貴方が偽物なんですか? グラヴィの方がよほど伝説のドラゴンっぽかったですよ? 貴方は弱かったですし……」

「おいおい。話の意味も分からずに、なぜか、物凄く馬鹿にされた気がするのは気のせいか?」

「気のせいではありません。貴方の方が偽物なのですか? って聞いているんですよ」

「偽物かどうか決めつける前に、何があったか詳しく話してくれないか?」


 黒蛇は本当に意味が分からないみたいで、困惑していました。これは、どういう事でしょう?

 

 エレンとカチュアさんの二人が作ったご飯を食べてから、私達はグラヴィの事をヨルムンガンドに説明しました。


「なるほど。おおむね理解した……。【破壊】の力ね……」

 

 はて?

 もしかして、思い当たる事があるのでしょうか?


「一つずつ説明していこう。ヨルムンガンドは我一匹だ。そして、我は【破壊】の力は使えない。我の力の根源はどちらかというと、大罪の力に近い」

「大罪の力?」

「あぁ。我の真名は【闇の巨竜・ヨルムンガンド】だ。主に闇の力を使う。そして、【破壊】の力を使う竜も確かに最初の七竜の中にいた」


 いた?

 つまり、今はいないという事ですかね?


「ヨルムンガンドちゃん。この世界を創世した竜神は七匹もいたの?」

「それも正確には違うな。実際この世界を作ったのは、慈竜アマテラスだけだ。我等はアマテラスと共にこの世界には来たが、世界の創世そのものには関わっていない」

「そうなのですか? ならヨルムンガンドはたいした事が無いと?」

「……お前……。いや、お前に何を言っても無駄かもしれん。どうとでも思ってくれ」


 はて?

 なぜ苦笑されているのでしょうか?

 とはいえ、ヨルムンガンドが初めて現れた時、圧倒的な魔力を感じたのも確かです。まぁ、竜神なのは事実なのでしょう。


「そういえば、毛玉も竜神の一匹でしたよね。エレン、呼び出してもらえますか?」

「え? うん」


 エレンが手をかざすと、眠そうな毛玉が現れます。


『なんだ? 私は眠いのだが?』


 こいつ……。エレンの腰ぎんちゃくの癖に偉そうですねぇ……。


「握り潰して、永遠に眠らせてあげましょうか?」

『いや、それくらいじゃ死なんが……。それよりも、こんな時間にいきなりなんなんだ?』

「バハムート。この凄い女が創世の話を聞きたいらしい。それに、今度のレティシアの敵も我等、竜神に関係があるらしい」

『何? 創世はアマテラス様が命を賭して成された事だろう? 我等がやった事は狂ったファフニールを倒しただけだ』

「ファフニール?」


 はて?

 初めて聞く名ですね。

 そういえば……。


「ヨルムンガンド。竜神は七匹いると聞きましたが、他にはどんなのがいるのですか?」

「ん? まずはそこのケダマの正体が、聖竜バハムート。そして我、闇の巨竜ヨルムンガンド。創世の竜にして、我等の故郷である竜界の王たる慈竜アマテラス。その夫である水神竜リヴァイアサン。護衛竜だった戦竜ティアマト。魔法竜ジルニトラ。最後に滅竜ファフニールの七匹だ」

「ふむ。この中で【破壊】の力を持っているのは、どいつですか?」

『あぁ、滅竜ファフニールが使っていたな。なぜだ?』

「今日戦ったグラヴィという男が、自分をヨルムンガンドの生まれ変わりと名乗りました。その男は【破壊】の力を使っていました」

『なるほどな……。これは確かに創世の話をしておいた方がいいな……。まぁ、全てはただの勘違いなのだがな……』

「そうだな……。本当に、我としては迷惑な話なのだがな」


 勘違い?

 確かに得体のしれない男に、自分の生まれ変わりと言われれば、迷惑と考えるのも理解できますね。


「貴方も大変ですねぇ……」

「いや、お前が考えているのとは、絶対違うが……。まず、一つずつ説明しておくか。まずは、我の生まれ変わりと言っていたが、我はまだ滅びていない。これに関してはバハムートも同じだ」


 バハムートも同じ?

 つまりは他の竜は滅びている?

 

 よくよく考えれば、さっき狂ったファフニールを倒した。と言っていましたし、アマテラスという竜も命を賭したと言っていましたから、死んでいるのでしょう。

 では……。


「他の竜はどうなのですか?」

「そうだな。今現在も生きているのは、我等二匹だけだ」



 ヨルムンガンドの話では、元々この世界には、生物が一匹もいない死の世界だったそうです。

 そんな時、魔王竜によって滅ぼされた竜界から、七匹の竜が逃げてきました。


 魔王竜との戦いに長い時をかけていた慈竜アマテラスは疲れ果て、この荒廃した世界を平和な世界に変えたいと望みました。

 しかし、それを面白く思わない竜がいました。それが滅竜ファフニールだそうです。

 元々、滅竜ファフニールは気性が荒く、魔王竜と最後まで戦ったのもファフニールでした。

 しかし、魔王竜は底なしの強さで、竜界を犠牲にしないと倒しきれませんでした。


 竜界の崩壊と共に魔王竜を倒しはしましたが、ファフニールはそれに納得していませんでした。


 ファフニールは慈竜アマテラスの行いに嫌がらせを始めました。

 最初は、アマテラスも軽くあしらっていましたが、そのうちファフニールはアマテラスを殺そうとまでしてくるようになりました。

 しかし、それを阻んだのが二大巨竜である聖竜バハムートと闇竜ヨルムンガンドでした。


 ただ、滅竜ファフニールは他の竜に比べて強すぎました。

 魔王竜には勝てなかったかもしれませんが、ファフニールは魔王竜とずっと戦い続けていただけあって、別格の強さだったみたいです。

 聖竜バハムートも闇竜ヨルムンガンドは必死にファフニールと戦い続けました。

 しかし、徐々にファフニールが二匹を追い詰めていきました。


 バハムートとヨルムンガンドの二匹もそろそろ危なくなった時に、さらに二匹の竜が参戦しました。

 その竜は戦竜ティアマト、魔法竜ジルニトラ。


 かの二匹が参戦した事により逆にファフニールは追い詰められていきました。

 

 ……そして……。

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