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親友が酷い目に遭いそうなので二人で逃げ出して冒険者をします  作者: ふるか162号
4章 レティシアの学校生活

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19話 再会


 私達のやる事ですか……。

 学校を破懐するのは駄目と言われましたし、一番怪しい学長を殺す……というのも却下されそうです。

 そう考えたら、倒す相手はアブゾル……つまりはグランドマスターという事になります。

 しかし、相手は表に出てきません。

 学校で暴れれば出てくるでしょうか……。


 セデルさんを送り届けた後、少し考え事があったので、エレンはカチュアさんに任せ、一人で町中を歩いていました。そんな時、ある男に目が止まりました。

 なぜ、アレがここに?


 そう言えば、マイザーに一時いる気配がしましたね。エラールセに来たのでしょうか……。でも、今のアイツは力もないただの魔神崩れです。


「サタナス。なぜここにいるのですか?」


 サタナス。

 タロウの体を乗っ取った元・魔神です。

 タロウの意識は既に殺されたモノだと思いますが、振り返ったその顔は見覚えのある気に食わない目でした。


「サタナス? 誰の事だ?」

「もしかして……タロウの人格が生きていたのですか?」

「レティシア……。そう言えば学校に通っているとお姉さまが言っていたな」


 お姉さま?

 こいつはこんなキャラだったでしょうか……。


「どうでもいいですけど、なぜここにいるのですか? エラールセには私がいると知っていたでしょうに。わざわざ殺されに来たのですか?」

「ふん。お前にはいつか復讐してやるつもりだが、今回はお姉さまに付いてきただけだ……。お前とは会うつもりは無かった」

「そうですか。しかし、いつかと言わずにここで決着つけませんか?」


 そう言ってナイフを取り出します。今のコレならば剣を使わなくても殺せるでしょう。


「ふん……。今は戦わんと言ったはずだが?」


 ふむ。

 初動が今までとは違いますね。

 能力は何も感じませんが、技術を高めたという事でしょうか?


「そうですか。貴方はつまらなくなりましたね……。では、さようなら」


 私はタロウに背を向け去ります。

 襲ってきますか? いえ、殺気を感じませんね。残念です……。


「レティシア……一つだけ忠告しておく。グランドマスターを信じるな……」

「はい?」

「勘違いするな。お前を殺すのは俺だ……。お姉さまがグランドマスターを支持している事が間違いなんだ……」


 お姉さまがグランドマスターを支持?

 という事は……。

 お姉さまというのはSランクかシンマスターのどちらかですかね。


「忠告をありがたく聞いておきます。貴方も私に復讐をするのなら、今よりも遥かに強くなってくださいね。あと、簡単に死なない事ですね……」

「ふんっ」


 タロウは一切振り向かずに人混みに消えていきました。

 しかし、あのタロウからは悪意を全く感じませんでした。まぁ、私個人はアイツが嫌いなので認める事はありませんが、少しだけ真人間になったかもしれませんね。


 しかし、グランドマスターに気を付けろですか。

 何故タロウがそんな事を言うのか不思議ですが、忠告だけは受け取るとしましょうか……。

 

「まぁ、良いです。タロウの言うお姉さまが何者かは知りませんが、今の私には関係ありません」


 その日の夜、ギルガさん、ドゥラークさん、リディアさんの三人が話をする為に私達の家にやってきました。まぁ、やってきたと言っても転移魔法陣に乗っただけですけど……。


「レティシア、リディアに色々と頼んでいたみたいだが……、何かあったか?」

「はい。少し気になる事がありましてね。リーン・レイのみなさんのクラスとランクを知りたかったんです」

「クラスとランクを?」

「はい。先日の事なんですがエレンとカチュアさんがSランクになっていました」

「なに!? 二人共Sランクなのか!? レティシアとカチュアはともかくエレンは問題児じゃないだろう!?」


 はい?

 ギルガさんもいい度胸ですねぇ……。


「ギルガさんもアセールの話を聞いていたでしょう? 不老になるとSランクになると……」


 よくよく考えたらその話はおかしいんですよね。

 ある一定の技術とアセールは言っていましたが、それでは基準が曖昧です。それに、イラージュ先生の話ではアセールはグランドマスターにSランクにしてもらったはずです。それなのに一定の技術とは……。


「ギルガさん。私は疑問だったのですよ。そもそも冒険者カードは誰が作り出したんですか?」

「ん? グランドマスターじゃないのか?」


 グランドマスターが作ったのならおかしいです。

 確かにグランドマスターはカチュアさんが【神騎士】になっていたのも知っていましたし、Sランクの存在も知っていました。という事はグランドマスターがランクを作り出したと言ってもいいはずなんです。ここまでならグランドマスターが冒険者カードを作ったと言われても納得はできます。

 しかし、もしグランドマスターがSランクや冒険者カードを作ったのならば、私達のように自然にSランクになっている者が現れるのはおかしくありませんか?


「リディアさん。皆さんのクラスはどうでしたか? それにSランクはいましたか?」

「Sランクはいなかったよ。あ、ネリー様もAランクになっていたよ。それとそれぞれのクラスを書き写したのがこれだよ」


 手渡された紙を見てみると、それぞれのクラス……職業が書いてありました。

 ふむ……。


「ギルガさん。この書かれている職業で知らないモノはありますか?」

「ん? そうだな……。サジェスの【賢者】、オレの【侍】 、ドゥラークの【龍闘士】は珍しいが聞いた事はある。後はアレスの【勇者】、マリテの【聖女】もそうだな。それ以外は特に聞いた事が無いモノはないな……」

「そうですか。リディアさん。次は私達三人のクラスを見てくれませんか?」

「うん」


 リディアさんの目が優しく光ります。

 リディアさんの特殊能力に【神の眼】というモノがあります。これは私が作ったモノじゃなく、リディアさんが元々持っていた特殊能力の【魔導の目】が強化されたモノでした。

 この【神の眼】は人のクラスとランクを正確に読み取る事ができます。更には人の悪意を見る事ができる為、かなり貴重な特殊能力となっています。

 私も真似て作ってみようと思いましたが、これも相性が悪かったのか、再現できない特殊能力の一つでした……。


「本当に三人ともSランクになっているね。アレ? エレンちゃんのクラスが聖女じゃなくなっているよ?」

「はい?」

「エレンちゃんのクラスが【聖女】から【鬼神の巫女】になっているよ。それにカチュアちゃんも【鬼神騎士おにがみきし】になっているし……」


 はて?

 カチュアさんは【神騎士】だったはずですが……。鬼? それにエレンも【鬼神の巫女】という良く分からない神の巫女さんになっていますよ?


「なに!? 二人のクラスは聞いた事がない!? もしかしてレティシアも変わっているのか!?」

「え? レティシアちゃんは……は? どういう事?」

「どうかしましたか?」

「クラスが……【神殺し】なのは一緒だけど……もう一つ追加されている……」

「つ、追加だと!? クラスは一人に対し、一つのはずだ!?」

「でも……【神殺し】の横に【鬼神】って書いてあるよ」


 はて?

 私が【鬼神】ですか?

 ついに神を殺す者から神になってしまいました……。


 全く意味が分かりませんね……。

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