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親友が酷い目に遭いそうなので二人で逃げ出して冒険者をします  作者: ふるか162号
4章 レティシアの学校生活

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2話 ギルド学校


 グローリアさんから学校に行けと言われてから三日が過ぎた頃、お城から一人の女性やってきました。

 その女性はグローリアさんの側近の女性で、私達に服を渡しに来たそうです。


「これは?」

「ギルド学校に着ていく制服です。これを着ていないと学校に入る事はできません」


 この服を着ていないと入れない?

 ギルドの学校とやらには特別な結界が張ってあって、この服を着る者だけが結界を通り抜ける事ができるのでしょうか?


「ギルド学校というのは神聖な場所なんですか?」

「はい? どうしてそう思ったんですか?」

「この服でないと入れない結界でも張られているんじゃないんですか?」


 私がそう聞くとエレンが制服について教えてくれました。


 なるほど。

 結界ではなくこれが学生の目印になる服装という事ですか。


「なぜそんな事が必要なんですかね?」

「そうですね。以前はギルド学校も服装は自由だったそうです。ギルド学校では野外学習として冒険者の様にクエストを受ける事があります。そもそもギルド学校には年齢制限がありません。そのせいで、ギルド学校の生徒が冒険者と間違えられた挙句、難易度の高いクエストを受けさせられ死亡するという事故があったそうです。そういう事故が多かった事から見分けがつくように制服が作られたそうです」


 なるほど。

 ギルド学校に通う人は冒険者にならずに、建築ギルドのような生産職に就く場合もあるのですから、クエストを受けて死ぬ事もあるという事ですか。そのための見分けという事ですね。


「そうなんだね……。レティ」


 エレンが制服を持ってこっちを見ています。なぜでしょうか……目が怖いです。私はカチュアさんに助けを求めますがカチュアさんの目もなぜか輝いています。

 はて……?


「レティ、着てみて!」


 エレンは突然私の服を脱がし始めます。これは困りましたね……。とはいえ、抵抗する事はありません。大人しく着せ替え人形になってしまいましょう。


 私はエレンとカチュアさんの二人に制服を着させられました。

 制服は紺色のスカートと白のブラウスでした。

 ふむ……、元々の服と比べて動きやすさが違います。前の服はエレンのお下がりの服でしたが、それに比べてはるかに動きやすいです。これはなかなかいい服ですね。エレンに貰った服は大事にしまっておきましょう。


「レティシア様、可愛いです!」

「レティ可愛い!」

「はい。ありがとうございます」


 ふむ。

 お二人が着た方が似合うと思いますが、褒めて貰えるのは素直に嬉しいですね。


 次の日。

 私達は制服に着替えて、冒険者ギルドへと向かいます。ギルドに学校まで案内してくれる人がいると、昨日制服を持ってきてくれた女性が言っていました。

 私達が冒険者ギルドに入ると、見慣れた人が立っています。


「あれ? カンダタさん。どうしてここに?」


 私が声をかけると、カンダタさんが振り返ります。


「おぅ。三人とも来たな。俺がお前等を学校に連れて行くんだよ」


 はて?

 なぜセルカの町のギルドマスターであるカンダタさんが私達を?


「わざわざそれだけの為に呼び出されたんですか? カンダタさんはセルカの町のギルドマスターでしょう?」

「あぁ。ちょいと事情があってな。元々グランドマスターからシンマスターになれと言われていたんだが、グローリア陛下と相談した結果、この話を受ける事になった。だから、これからはセルカの町だけじゃなく冒険者ギルド全体を見て行く事になったんだ。俺の拠点は今までと変わらずセルカの町になるんだけどな」

「そうなのですか?」

「今回、お前達をギルド学校まで案内する事になったのは単純に上からの指示だな」

「上? グランドマスターという人ですか?」

「あぁ。本来、お前達を案内するのはギルド職員の予定だったんだがな。さて、行くぞ」


 私達はカンダタさんと一緒にギルド学校へと向かいます。


 馬車に揺られる事、数十分。ようやくギルド学校に到着しました。

 ギルド学校はエラールセ皇国の首都の北の端にあるそうです。とても広大な土地に大きな建物が建っています。大きな門には門番らしき人が二人立っています。

 私がその二人をジッと見ます。なかなか強そうです。


「大きいですねぇ……。冒険者ギルドの数倍の大きさがあります。グローリアさんも良く場所を提供しましたねぇ……」

「そりゃあなぁ……。ここに建てればギルドから金が取れるからな。それに、人も集まる。国にとっても良い事尽くめだ」


 人が集まる?

 色々なところから人が集まると揉め事も多くなります。それなのに、人が集まるのは良いのですかね?

 まぁ、その辺りはグローリアさんが勝手にやるのでいいですけど。


 私達は大きな建物に入り、立派な扉の部屋の前に到着します。そして、カンダタさんがノックして部屋に入ります。

 中には白髪で長い髪のお婆さんが座っていました。顔は優しそうです。


「これは、これはカンダタ殿」

「久しぶりだな。シュラーク殿」

「そちらの三人がグローリア陛下の推薦の入学希望者かな?」

「そうだ。レティシア、エレン、カチュアの三人だ」


 シュラークと呼ばれた人は私達を優しい目で見ます。この人の目はなぜか安心する目です。

 

「そうですか。なら、まずはこの学校について説明しましょう。この学校はギルドの事を学ぶ学校です。ギルドは大きく六つに分かれています。冒険者ギルド、治療ギルド、建築ギルド、鍛冶ギルド、商業ギルド、魔術ギルドです。その六つからさらにいくつかのギルドに分かれています。この学校では、どのギルドに配属されても、どのギルドに所属してもやっていけるように学びます」


 どのギルドに所属しても?

 冒険者をやるのならば、別にわざわざギルドの全てを学ぶ必要はないと思うのですが……。

 私達が学長の前に座ると、カンダタさんは部屋を出て行こうとします。


「アレ? カンダタさんは帰るんですか?」

「あぁ。レティシア、エレン、カチュア、お前等に話があるから今日の夜は家にいてくれ。俺が夜に尋ねる」

「分かりました」


 カンダタさんが帰った後、私達は学校でのルールなどの説明を受け、私達が編入されるクラス? という所へと案内されました。

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