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親友が酷い目に遭いそうなので二人で逃げ出して冒険者をします  作者: ふるか162号
3章 マイザー編

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35話 マイザーの再出発


 マイザー王とマイザー王国の宰相、それに護衛の兵士達も謁見に来ていた商人も突然現れた私達に驚いている様です。

 しかし、さっき来た時も思いましたけど、マイザー王は間抜けな顔ですねぇ……。間抜けなのは兵士も一緒です。護衛(・・)なのに、兵士は動こうとしません。エラールセならば、即座に臨戦態勢に入るか、即襲いかかりますよ。まぁ、グローリアさん自身が強いので、その王を守る騎士も必然的に強くならなければいけなかったんでしょう。それと比べてレベルが低すぎます。

 グローリアさんはそんな兵士を見てため息を吐きます。


「不審者が突然現れたのに動こうとしない護衛兵士なんて必要ないんじゃないのか? なぁ、マイザー王」


 グローリアさんは拘束したアホを前に投げます。


「ぐぁ!?」

「な!? と、突然何者だ!? な、ぷ、プアー!?」

「お……親父……た、助けてくれ……」

「き、貴様等、これはどういうつもりだぁああああ!」


 声だけはうるさい人ですね。喉を切り裂いて黙らせましょうか。

 そう思ってナイフを取り出そうとしたのですが、グローリアさんに止められました。そして、グローリアさんが前に出ます。


「俺の顔を忘れたか? マイザー王」

「顔だと? き、キサマはグローリア!? な、なぜここにいるんだ!?」


 おや?

 お知り合いでしたか。グローリアさんも王様ですから当然でしょうか……。


「てめぇの息子を保護してやってたんだ。感謝しろよ。それよりお前は何してるんだよ」

「な、なに?」

「ギルドを敵に回しただろう? これからどうするつもりなんだ?」

「ふん。ギルドと敵対したからどうだというのだ。ギルドなどただの金食い虫でしかないわ!」


 金食い虫?

 ギルドと国というのは不干渉ですから、どちらかと言えば国に拠点を置いているギルドがお金を払っているんじゃないんですかね?

 グローリアさんも少し呆れている様です。

 

「お前が何を言っているかは知らんが、そうか……。まぁ、お前等が滅びようと知った事じゃねぇけどよ、ギルドと敵対関係になったら国民が困るだろう?」

「何を馬鹿な!? 国民など国王の為にいるのだ! 我が国の国民はわしの為にギルドと戦えばよい! 兵士達よ、こいつ等を殺せ! ただし、プアーに怪我をさせるなよ」


 私はアホを殴り飛ばします。存在がウザいのでちょうどいいです。

 

「な!? ぷ、プアー!? キサマ、プアーは王太子だぞ!? 王太子を殴るという事は何よりも重い罪なんだぞ!!」


 重い罪だぞうですが……でも間違えていますよ。


「私は元々罪人ですよ? この国の中ではそうらしいですね」


 私は顔を上げてマイザー王に迫ります。すると、私の顔を見てマイザー王は顔を青褪めさせます。


「き、キサマはレティシア!? なぜ指名手配中の大罪人がここにいる!? グローリアぁあああああ! キサマ、罪人を匿っていたのかぁあああああ!」

「罪人? それはお前等が勝手に指名手配しただけだろう? そんなモノになぜ俺が従う必要がある?」

「くそっ! わしに逆らいおって! 兵士共殺せぇえええ!」


 護衛の兵士達は足を震えさせながらも襲ってきます。

 私はグローリアさんを見ます。


「グローリアさん?」

「あぁ……これは正当防衛だ。やっていいぞ」

「はい」


 私は護衛兵士をどつきまわします。

 護衛兵士達の四肢の骨を砕いた後、端っこに積み上げておきます。殺す価値もありません。


「終わりましたよ。ゴミは隅っこに寄せておきました」

「うぅ……」「い、痛いよぉ……」

「お前が殺さないなんて珍しいな。意外だ……」

「そうですか? こんなゴミ共、殺す価値も無かっただけです」

「そうか……。マイザー王。次はどうするんだ?」


 マイザー王は怯えながら何かを探しています。

 

「ら、ラロはどこだ!?」

「ラロ?」


 ラロと言えばマイザーの英雄でしたっけ? そういえば彼は冒険者ギルドのSランクでしたね。


「くそっ。肝心な時にいないとは役立たずめ!」

「いや。ラロというのは冒険者だろう?」

「そ、そうだが、わしの部下だ!?」

「いや。違うだろうよ。アイツはお前の協力者であって、王族の兵士じゃない。アイツはギルドに所属している冒険者だろう? ギルドを敵に回したお前はラロの敵だ。ラロがここに居たらお前が殺されているぞ?」

「な!?」

「そんな事も分からなかったのか? おまえは本当に王としては……いや、人として欠陥品だな。オラぁ、来い!」


 グローリアさんはマイザー王の髪の毛を引っ張り玉座から引きずり下ろします。ガラが悪いですねぇ……。


「さて、レティシア、プアーに〈無気力魔法〉を使ってくれ。【再生】は後でいい」

「分かりました」


 私はぐったりしているアホの頭を鷲掴みします。そして魔力を込め〈無気力魔法〉を使います。


「ひゃあああああ!」


 気絶してても叫べるんですね。これは新発見です。

 魔法をかけた後のアホは涎を垂らし、その場でボーっとしています。汚いですね。


 アホのそんな姿を見てマイザー王はガタガタと震えています。


「あ……あ……ぷ、プアー……?」

「レティシア、次はマイザー王だ……」


 グローリアさんはガタガタ震え顔を青褪めさせたマイザー王をプアーの横に連れてきました。

 私はマイザー王の頭を鷲掴みします。もっと抵抗すると思ったのですが、抵抗しないようです。魔力を込め〈無気力魔法〉を使うと、親子そろってボーっとしています。

 そして二人に【再生】を使いました。




 それから二週間が経ちました。

 私達が家で寛いでいると、グローリアさんが訪ねてきました。


「レティシアはいるか?」

「いますよ。ここは私達の家ですから」


 どうやらグローリアさんはマイザーのその後を話しに来てくれたみたいです。わざわざ来なくても、来いと言われれば行きますのに……。


「それで?」

「マイザーがギルドに謝罪したそうだ」

「そうですか。それでマイザー王国にギルドが戻るのでしょうか?」

「それはグランドマスター次第だろうな」

「そうですか。まぁ、どうでもいいです」


 別にマイザーにギルドが戻ろうと、私はマイザーで活動していませんし関係ありません。


「それとな、お前とエレンの指名手配も解除されたぞ」

「それはそれは……。これで私がマイザー王を殺す理由が無くなりましたね」


 まぁ、マイザー王が【再生】で直った時から、これは想定内の事でしたが、随分と時間がかかったものです。まぁ、その辺りはどうでも良い事なのですけど……。

 これでマイザーの報告は終わったはずなのですが、グローリアさんはまだ話があるらしく、三枚の紙を出してきます。


「はて? これは何です?」

「そうだ。レティシア、お前に頼み……いや、お前自身の為にも必要な事だと思ってこの話をする」

「なんですか?」

「エラールセには二つの学校があるのを知っているか?」

「知りません。ただ学校というのは知っています。行った事はありませんけど」

「ん? 興味があるのか?」

「ありません」


 私がそう答えると、グローリアさんはため息を吐きます。


「まぁいい。一つは通常のエラールセ国民が通う学校。そして、もう一つはギルドの知識を得るための学校だ」

「そうなのですね。それが何か?」

「レティシア、ギルド学校に行ってみないか?」


 はい?

 私が学校ですか?

これで三章は終わりです。

うーん。三章は冒険者レティシアよりもマイザー編にした方がよさそうですね。変えておきます。

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