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親友が酷い目に遭いそうなので二人で逃げ出して冒険者をします  作者: ふるか162号
3章 マイザー編

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29話 不老

ブックマークが600件到達しました。ありがとうございます。


 二百年以上生きているですか……。

 人間というのはせいぜい百年くらいしか生きれないと聞いていたのですが、アセールさんが嘘を吐いているのですかね?

 しかし、アセールさんが嘘を吐いているとは思えません。その理由がジゼルです。

 ジゼルはお母さんの出生の秘密を知っているみたいでした。もしかしたら、ジゼルも何百年も生きていたのかもしれませんね。


「アセールさん。貴方はジゼルを知っていますか?」

「大魔導ジゼルだろう? あれだけの有名人を知らない奴が逆にいるのか?」


 え?

 私は知りませんでしたよ。

 タロウの仲間という事で初めて知りました。


「ジゼルも貴方と同じ(・・)だったんですか?」

「そうや。アイツもちゃんとギルドに所属していれば、Sランク……つまり、ワイ等の仲間やったやろうな」


 ジゼルと仲間ですか。

 なんとなくですが、虫唾が走りますね。


「それに、お前も気付いてないんか?」

「はい?」


 気付く?

 何をでしょう?

 ジゼルの事なら気付いたと思うのですが……。


「お前は成長してるか?」

「殺しますよ」


 いきなり喧嘩を売られました。


「ちゃうわ。今のこの話の流れで喧嘩売らんわ!」

「じゃあ、どういう事ですか?」

「お前は自分の姿に違和感を覚えた事は無いか?」

「やはり喧嘩を売っているんですか?」

「ちゃうちゃう。なぜ自分は成長しないのかって事や。そこに疑問はもたんかったんか?」


 確かに、成長期が来ないのはなぜでしょう? とは思っていました。


「そこに意味があるんですか?」

「これが不老(・・)の恐ろしい所や」

「不老?」

「そうや。さっきSランクになる条件として人の限界を超えるって言うてたらやろ? 人はある一定の限界を超えると不老になるんや。しかも、厄介な事に不老になる年齢はそれぞれ違う。お前みたいに幼いころに不老になる奴もいれば、歳食ってから不老になる奴もいる。年取ってからの不老はしんどいって聞くな……」


 不老にもいろいろあるのですね。

 私もせめて五年くらい経ってから不老になればよかったのですが……。


「せやけど、不老やからってSランクになれるわけやない。それぞれに秀でた何かが無いとSランクにはなれん。別にそれは強さや無くていいんや。ワイで言うたら建築技術やな。ワイはこの技術に関しては自信と確信を持っとる。せやからSランクなんや」

「しかし、それではおかしくないですか?」

「なにがや?」

「ギルドの説明ではSランクは問題児でした。今の話が本当ならば問題児扱いされるのはおかしくないですか?」


 アセールさんの今までの話を聞いていると、Sランクは重要なランクみたいです。それを問題児と呼ぶのは酷いのでは?

 これを考えたのがグランドマスターだというのなら、何が目的なのでしょうか?


「そうやな。せやけど、ワイはそこまで詳しい事は知らん。Sランクの知識は殆どラロに聞いたからな」

「そうですか。ならば貴方はもう用無しです。喧嘩を売った事を後悔させてあげます」


 私はアセールの首を掴もうとしますが逃げられました。


「なんでや!?」

「なんでって、貴方はこれ以上何も知らないのでしょう? じゃあ、お仕置きしてもいいじゃないですか。あ、重要人物っぽいので殺す事はしませんよ。後は、そのラロって人に聞きます。あ、ラロって人の居場所を吐けば止めてあげます」

「だから待てって、ラロに聞くも何もワイはアイツがどこにいるかは知らんで」

「そうですか。残念です」


 私はアセールさんを何度か殴った後、蹴り飛ばしておきます。アセールさんは白目を剝いて気絶しています。


「グローリアさん。一つ聞いていいですか?」

「ん? なんだ?」

「ラロというのはマイザーの英雄なんですよね。という事は、マイザー王ならラロの居場所を知っている可能性は高いですよね」

「そうだな……って、お前どうするつもりだ?」

「マイザー王に会ってきます」


 転移魔法を使って町に行けば、後は簡単に潜入できそうですし。

 しかし、ギルガさんが慌てて止めてきます。


「ま、待て!?」

「はい?」

「今のお前は指名手配犯なんだぞ!? 当然、奴等はお前を捕らえる、もしくは殺しにかかってくるだろう。そうなった時、お前はどうする?」

「マイザー王国を滅ぼします」

「そうなるだろうな。だから、それは駄目だ!」


 ギルガさんは少し呆れてから、首を横に振り目つきが鋭くなります。


「ダメですか?」

「駄目だ!」


 ふむ。

 ギルガさんは本当に心配性ですね。

 まぁ、心配されて嫌な気持ちになりませんからいいんですけど。


「じゃあ、どうしますか? このまま静観ですか?」


 私の問いにギルガさんは何も答えませんが、グローリアさんが少し考える素振りをしてからこう答えました。


「とりあえずは、エラールセ皇国からマイザーに警告文書を送る。これでマイザーを一時止める事は可能だろう」

「どういう事ですか?」

「俺達が変装していたとはいえ、マイザー王国軍は訓練まで積んでいる連中が、生産職である鉱夫に負けたんだぞ? ようするに、戦いのプロである兵士が自分達よりも数が少ない生産職に負けた……。そんな軍を持つ国が、強国と呼ばれているエラールセに喧嘩を売るか? 当然、警告文書をいきなり送るのは、関わっていたと疑われかねないからな、エラールセは今回の事を鍛冶ギルドから得た事にする」

「ふむ。回り道ですね。マイザー王を暗殺しては駄目ですか?」


 もう面倒なので、殺してしまえばいいと思うのですが……。それは絶対許可してくれません。

 私が不満な顔をしていると、グローリアさんが暗殺した場合の事を教えてくれました。


「マイザーは良くも悪くも今現在、反乱も何も起きていない平和な国だ。それなのに今マイザー国王を殺してしまえば、マイザー王国が混乱する。最悪、マイザー王国は衰退していくだろうな」


 グローリアさんは一度私を見て、ギルガさんを見ます。


「レティシア、お前は今日はエレン達の下へ帰ってゆっくりしてくれ。明日、エラールセ城に来てくれ。ギルガ、この後に話をしたい。一度セルカに帰ってカンダタを連れてきてくれ。今も転移魔法陣は起動しているだろうから問題は無いはずだ。レティシア、行き先をセルカに設定しておいてくれ」

「はい」

「ギルガ、できるだけ早くしてくれよ。あまりに遅いと酒を飲み始めちまう」

「え? 誰がだ?」

「俺がだ」

「あんたかよ……。分かった。一時間後にカンダタさんを連れてくる」

「おう。それまでは飲まずに待っているぜ」


 私はギルガさん達と共にセルカに帰りました。ギルガさんはカンダタさんを呼びに慌てて家を飛び出していきました。

 あ、鉱山にアセールさんを放置しましたけど良かったのですかね?


レティシアは不老の事を知らいない前提(調べたけど不老の話をしているところはなかった)で話を進めていますが、もし、知っていたはずというと転がれば教えてください。もしもの時は冒頭だけですが書き直します。


不老のレティシアが幼女の時に不老になってよかった……。と思う人もいるかもしれませんww

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