第4話 実験と試し
「じゃあ、次は【神器】だな。」
さて、果たして神器はどのくらいの強さなのだろうか。
と言っても、どうせ桁外れに強いのだろう...
「まずは【最強クラスの神器】を出してみるか。」
と簡単には言っているが、この【最強クラスの神器】でさえ王国の騎士長もしくは
王様くらいしか、持っている人がいないくらい貴重なのだ。
それが俺の中では一番弱いとは...
「【水明】!」
そう言うと、左手に電撃が走ったように光った。
その手には、黒い鞘に何本かの青い線があり、栗型にはひもが下げられそのひもの
先には、青く輝く宝石のような丸い球が下げられた刀があった。
「見た目はかっこいいな。この神器の能力は~...」
刀の【ステータス】に書かれていた能力はとても単純だが強く、しかし扱うのが難
しい能力だった。
「【何もかも切る能力】か...。これはすごく強いが、どう戦おう。」
【何もかも切る能力】
一見これは普通に強いだけに見えるが、そうではない。
何もかも切るということは、簡単に言えば鍔迫り合いをしようとすると、相手の刀
が切れて俺に刺さるということがほとんどだろう。
しかし、神器というのは都合のいいようにできている。
神器の能力を使う場合、ずっと発動している能力と、神器に魔力あるいは波力を流
さなければ発動しない能力がある。
この、【何もかも切る能力】は後者の能力なのであまり不便ではない。
しかし、下限を間違えると威力が格段に変わるので、それを戦闘中に制御するのは
とても難しいのだ。
さて、どう戦おうか。
まあ、それは後々考えよう。
「さてと。じゃあそろそろ、チート神器達を試してみるか...」
~~数時間後~~
「ほんとの異常ってやつじゃねえか...いろいろ試してもう疲れた...」
【伝説の八つの神器】はその名の通りチートそのものだった。
ついでに、神器を試した後に魔法の練習もそれなりにしてみた。
まあ結果は予想通りで、すべて使えるという望んでないオチだった...
「もう夕暮れだし家に帰るか。」
ここで、あることに気付いた人はいるだろうか。
そう、僕はまだ五歳なのだがその五歳の子供が家にいない状況!
今帰ると、きっと城は
「アラン様がいない!」
と大騒ぎだろう。
しかし!!
今家には家族が誰もいないのだ!
お父様とお母様は今、隣町まで仕事に行っている。
レイル兄様とミアナ姉様は、今学校に行っている。
つまり、メイド達と執事しかいないのだ!
そして、今俺は自分の部屋で寝るから入らないでと言っている。
なので、誰も俺がいなかったことには気づかないのだ!
「よし、じゃあ帰るか。」
そういってアランは、転移魔法を使った。
だが、現実はそう上手くはいかなかった。
「やっと帰ってきた~」
ガチャ!!といきなりドアが開いた。
「え?」
「あ、アラン様~~~!」
そういって抱き着いて来たのは、メイドの【エリナ】だった。
「ど、どうしたんだエリナ!?」
「どうしたんだじゃありません!いったいどこに行ってたんですか!」
『なぜ俺がいなかったことがばれてる!?』
「え~っと、その~...そう!散歩に行ってたんだ!一人で!」
「どこから出たんですか!」
この部屋から、ドア以外で出れる場所は、
「そこの窓から出たんだ~、」
『あ、ここ四階だった...』
言い訳にしては、無理があるか...
「もうお願いですからやめてくださいね?先ほど私が、長時間の説教をくらったの
ですから...」
『危なかった~!』
「ご、ごめんごめん。今度からしないよ。」
「まあ、それならいいです。もう済んだことですし。」
「ありがとう、エリナ」
これからは少し考えて行動しないとな。
結局なぜ気づかれたのかはわからないままだった。
今回も無事投稿することができました!
読んでくださりありがとうございます!
次回は、1月1日に投稿する予定です。
これからもよろしくお願いします。




