第29話 混乱と動揺
とても居心地がいい。
夢の中にいるのだろうか。
近くにはお父様とお母様がいる。
少女は、この空間を夢見ていた。
現実では、一生叶えることができないこの夢を。
「ああ、夢でもいい。ずっとこのままいられるのなら...。」
しかし、そんな夢はすぐに覚めた。
その少女は、飛び起きる。
周りを見渡し、すぐに自分の状況を確認する。
ベッドの上?
瞬間移動用ゲートを使って、森に飛んだはず。
運ばれたのか?
そもそも、ここはどこだ。
少女は、現状を理解することができなかった。
魔物の城にある、瞬間移動用ゲートを使うまでの記憶はある。
しかし、そこから今現在の記憶が一切なかった。
気が付いたら、どこかわからない部屋にいる。
その時、何かの気配に少女が気づいた。
「...人?」
扉の方から、歩いてくる音がした。
そして、徐々に近づいてくる。
普通の人間。
普通の人間のはずだが。
何か、得たいが知れない。
そう少女の感が、言っていた。
そして、扉が開いた。
そこに立っていたのは、一人の少年。
アランだった。
―――アラン視点——————
知らない少女を、拾ってしまった。
まあ、森で倒れている少女を助けるのは普通のことだろう。
しかし、なぜ俺は部屋に運んだのだろう。
【普通病院だろ!!!】
と心の中で思いながら後悔していた。
「さて、ここからどうするか。」
執事やメイドにいうわけにもいかない。
勘違いされると、とても面倒だ。
そもそも、少女はいつ起きるのだろう。
俺が次部屋に行った時には、もう起きてましたというのは気まずいのでは?
それなら、ずっとそばにいて起きた時に
「起きたか。」
とかいう方が、まだ決まづくないのでは?
「いくら考えても無駄だな。」
アランは考えることをやめ、少女の部屋に行く。
そして、扉を開けた。
するとそこには、目が覚めた少女がいた。
アランは、咄嗟に言う。
「あ、おはよう。」
いや、何がおはようだ!!
夫婦か!!
この場合は、おはようであっているのか?
待て、想定外なことが起きた。
起きるの早くない?
まあ、それは人それぞれですよね。
一人ひとり個性がありますから。
待て、何の話だっけ。
アランは、動揺した。
しかし、少女はそんなことを気にせずに。
臨戦態勢に入った。
「ん?何をしてるんだ。」
「お前も、他と同じ考えで私を捕まえただろ。」
他と同じ考え?
今まで、捕まっていたのか?
「待て、何か勘違いしてるぞ。」
「うるさい!ここで殺す。」
わーお、殺す宣言頂きました。
今回も無事投稿することができました。
読んでくださりありがとうございます!
次回は、2月1日に投稿する予定です。
コロナには皆さん気を付けてください!
これからもよろしくお願いします。




