第24話 呆れられると模擬戦開始
なぜいきなり模擬戦をやることになったのだろう。
そのことを、俺は率直に聞いてみた。
「カローナさん。なぜ、僕はいきなり模擬戦をすることになっているのでしょうか。」
「ん?聞いていないのか?」
「聞いてないとは?」
両者唖然とする。
そして大声で、少し離れたところにいるミイナを呼ぶ。
「ミイナ!ここに連れてくるとき説明しなかったのか?」
「うん。忘れてた。」
カローナは、またかといわんばかりに呆れている。
「それで君は、説明もされずについてきたのか。」
「あぁ...。まあ、そうなりますね。」
またもカローナは呆れている。
今度は俺に。
いや、仕方ないじゃん。
可愛かったんだから...。
俺も男だし。
そりゃあ「ついてきてほしい。」なんて言われたら期待しちゃうよ。
「まあ、事情は分かった。シエナ、説明してやってくれ。」
「了解。」
なめらかな声で、後ろに控えていた側近らしき女性が前に来る。
そして、説明をされた。
簡単にまとめると、今国を守る騎士が不足していること。
また先日の魔物との大規模戦と似たようなことがまた起こるということ。
前の戦闘はどうやら前兆だったらしい。
これから、大規模戦闘が何回も起こる。
なので、一刻も早く即戦力になる人物が必要だと。
そういったことを説明された。
「それで選ばれたのが俺というわけですか。」
「そうだ。ミイナが選んだから間違いはないはずだが。まさか学生とはな。」
と、カローナは呟く。
そもそも学生を騎士演習場に入れるなと俺は言いたい。
いや、一番言いたいのは【俺を巻き込むな!】だ。
「学生だとだめっていうなら、僕はすぐに帰りますけど。」
「いや、その必要はない。学生が騎士をしてはいけないという決まりはないしな。」
自分から帰ることはまず無理か。
いや、いっそ「騎士になりたくない」と言って帰るのもありか。
「では、そろそろ模擬戦を始めよう。」
「あ、あのー.....。」
アランは、カローナになりたくないということを言おうとした。
しかし、後ろからミイナが近づいてきた。
「頑張って。」
小さな声で、ミイナはそう囁いた。
「お、おう。」
そんなこと言われたら、もうやるしかないじゃん。
そして、俺は位置に付いた。
最初は、シエナさんが相手らしい。
彼女は、身の丈ほどある槍を片手で持ち立っている。
俺も、水明を出し鞘にしまった状態で左手に持つ。
「それじゃあよろしくね。」
「よろしくお願いします。」
シエナに軽く挨拶されたアランは、丁寧に挨拶を返す。
そして、数分後この修練場にいる騎士たちが皆、驚愕することとなる。
今回も無事投稿することができました!
読んでくださりありがとうございます!
次回は、9月1日に投稿する予定です。
コロナには皆さん気を付けてください!
これからもよろしくお願いします。




