第19話 訓練と気になること
次の日、アランは普通に学校に登校した。
学園の授業は、基本四時間となっている。
午前中に授業が終わるため、ほとんどの生徒は午後からお金を稼いでいる人が多いらしい。
また【戦術総合学科】に関しては、必ず一時間戦闘訓練の授業がある。
で、今まさにその授業が始まるところだった。
この学園の戦闘訓練は、少し特殊だ。
救護の先生がこの学園には存在し、【超回復】という魔法が使える。
噂によれば、死んでいなければどんな傷でも治るとか。
そのため、少々荒い戦闘をこの学園では行っている。
「やあ、戦闘訓練を担当している【リカルド】だ。よろしく。」
と先生らしき人が挨拶を始めた。
だが、何やら生徒たちがどよめき始める。
「なあ、あれ【龍の牙】の特攻隊長じゃね?」
「言われてみれば!」
どうやら彼は、有名人らしい。
「あー、気づいた人もいるだろうが...。改めて自己紹介しよう。」
と、ひと呼吸付いた後、話始める。
「俺は【龍の牙】の特攻隊長、【リカルド・ヘルス】だ。よろしく。」
リカルドが自己紹介した瞬間、生徒達が皆騒ぎ出した。
後から聞いた話だが、彼は冒険者でそれも超一流。
階級は、【A級】で上から二番目だがそれでもこの国の五本の指に入るくらいらしい。
そんな有名人が学園にいたら、興奮するに決まっている。
しかし、このときのアランはそのことを一切知らなかった
「さて、それじゃあこれから一対一の戦闘訓練を始める。」
リカルドは、広場の中央へ移動する。
「訓練はトーナメント式で、相手はくじで先に決めておいた。審判は俺がやる。」
そして、すぐに訓練が始まった。
いろんな生徒が次々と訓練していく中、少し気になることがあった。
それは、貴族間の差。
後ろの方から、話し声がずっとこの訓練中聞こえていた。
「みっともない」や「やはり下級貴族か」など。
そしてたまに、「やはりあの方は見事だ」など聞こえることもあった。
(この感じだと、貴族間でいじめが起きそうだな。)
と考えていた。
ちなみに、おれは一応一国の王子だ。
しかし、それで入学すると何が起きるかわからない。
なので、この学園に入学するときは【第三階級貴族】ということにしておいた。
そして、先ほどから後ろの方で悪口を言っているのはおそらく一、二の階級だろう。
「はぁ、お偉いさんは思い込みが激しくて困る。」
とアランは小声で言い、ため息をつく。
そして、リカルドに呼ばれる。
「よし、次はステヒムとアラン。」
すると、先ほど後ろで悪口を言っていたリーダー核が返事をした。
(最悪だ...。)
そうアランは思いながら、挨拶をする。
「はい...。」
今回も無事投稿することができました!
読んでくださりありがとうございます!
次回は、3月1日に投稿する予定です。
これからもよろしくお願いします。




