第10話 名前とお肉
「師匠!」
「ししょ~う」
「ん?どうした~」
今俺は九歳になった。
俺のことを師匠と呼んでいるのはシロとクロだ。
契約したときに初めてわかったことがある。
~~契約して少しの話~~
「よし、お前らが俺の初めて契約したフェンリルだ!よろしくな、シロとクロ」
「はい!」
「よろしくお願いします!」
あ~初めてがフェンリルっていいな~
しかし、お父様とお母様達は驚くだろうな。
「というかお前らその姿だと国の人たちに驚かれるな...」
「それなら心配ありません!」
「え?」
そういうとシロとクロの周りに煙のようなものが渦巻いた。
そしてその煙が無くなると、シロとクロは人間になっていた。
「え?お前ら人間になれるの?」
「ええ、神獣クラスの生き物は皆人型になれるのです。」
おお、何とも便利な。
しかし
「二人とも何歳くらいなんだ?」
「んん、人間の年齢だと多分六、七歳くらいかと」
「ほぼ同い年じゃん!」
クロが男の子でシロが女の子なのか。
二人ともすごく綺麗というか、美形というか。
「その主って言い方どうにかならないか?なんか気恥ずかしい...」
「では、師匠などはどうでしょう。」
「んん...まあいい、そのほうがまだましだ」
あんまり変わらない気がするが...
~~現在~~
こういうことがあり、今に至る。
まあ家族全員最初は驚いたりしてたが、うまく説明したら全然平気だった。
ちなみに、二人のことは森に捨てられそこから森で過ごしていたということにして
おいた。
無理があるかなと思ったが、皆泣きながら納得していた。
『家族全員単純でよかった~。』
長くいるおかげで二人がどんな性格かわかってきた。
まず【クロ】はとてもしっかりしている。
いつも真面目だが、たまに小さなミスをすることがある。
だがそれが目立たないほど大人っぽいな。
クロは優秀な弟って感じかな。
【シロ】も気が強くて賢い
シロも真面目でミスも全然しない。
だがシロは女の子だからか、寂しがり屋だったりする。
まあそれがまたかわいいからいいけどな。
シロはかわいい妹みたいな感じだ。
二人の違いといえば、敬語を使うか使わないかだな。
シロはもともと使ってはいないが、クロは全部敬語だ。
クロにも、使わなくていいといったのだがもう敬語を使う話し方が癖になっている
らしい。
まあ、二人ともめちゃくちゃ賢いから俺はなんも言わなくても学んでいくだろう。
さて、俺は今九歳なわけだが俺は一つ悩んでいる。
それは
「やっぱなんもやることね~...」
今の俺は目標も何もなくなっているのだ。
まあ平和に暮らしたいという目標は叶っている。
外に出なければだが。
だがずっと家の中にいると、戦闘とかすることがないからやはり体がなまってしま
う。
まあ、散歩がてらに街を歩くか。
「シロ、クロ。街行くか?」
「ぜひ行かせてください!」
「行きたいです!」
「お、おう。じゃあ行くか。」
そんなに行きたかったのか。
言ってくれればよかったのに。
「よし、準備オッケーと。じゃあ行くぞー」
「はい!」
しかし、賑わってるな。
「ん?どうした?」
「あ、師匠。いえ、このお肉がとても美味しそうだったのでつい。」
ああ、肉が喰いたかったのか。
まあ、こんなときぐらいはいいか。
「おばちゃん、この肉二本ください。」
「はいよ、ちょっと待っててね。」
「いいんですか!?」
「ああ、俺のおごりだ!」
「やった~!」
嬉しそうで良かった。
「上手いです、師匠!」
「ありがとう、師匠!」
「どういたしまして。」
こういうのも、なかなか楽しいな。
今回も無事投稿できました。
次回は7月1日に投稿予定です。
これからもよろしくお願いします。




