第12話 ジジイからの入学
俺の目の前で、ジジイとその孫のミニコントを繰り広げる。仲良しそうで何よりです。
が………
「こ………校長だ!」
「やっと助かるぜ!………あの孫の支配から!」
「あっ!………あたしぃぃぃぃ!?」
「ルーノ………お主は………」
「いぃぃぃやぁぁぁぁぁ!」
うん………俺の緊張感返してくんない?じいさん魔方陣ナウなんですよ?こわいんですよ?でもこの雰囲気なら笑顔で話しかけてみよう。
話す内容は、確認と提案だね。
「あのーすいませーん。」
「なんじゃ?」
「お話があるのですか、よろしいですか?」
「ふむ………言ってみよ。」
よし、落ち着け。年配者で経験豊富な相手との会話はまず笑顔、そして、焦りや感情を顔に出さないこと。立ち振舞いはまずおじき。後は肩の力を抜き、目を合わせて会話する。………とその前に………
「まず、今回の騒動によるご迷惑に関してお詫びをしたいと思います。………誠に申し訳ありませんでした。」
「………ふむ、」
「そして………自己紹介が遅れました。僕の名前はミヤビと申します。よろしくお願いします。実は今回の騒動について簡潔にお話させていただきます。……まず、この学園の生徒でもない僕がなぜここにいるかと言うと………拉致されてきました。拉致された理由は分かりませんが、気付いたらこの箱の中にいました。そして、僕が気付いたとき、ちょうどあの闘技場での授業が始まりました。その後、生徒が苛められているのを見て、止めようとし、出たところ決闘に………そして、ルーノさんからの攻撃から逃げるためにここまで走り、ここにいる集団と出くわしました。そこで僕が一方的に暴れてしまい、この様になってしまいました。」
「………その言葉に偽りはないな?」
「はい。」
これでいい。このじいさんは二択しか選ばない。1つは俺を捕まえること、2つめは俺を試すこと。多分、どちらにしろ俺は死なないと思う。何せじいさんは笑っている。興味が湧いたときに出す人間の顔だね。
「ても、これは不思議じゃな。普通にお主がやったとは思えんがの?………あぁ、何でかっと思うじゃろーな。それは………」
「《鑑定》があっるからでーす!」
………ドヤ顔のじいさん固まってるよ。そしてドヤ顔のルーノ。顔にてるとこあるね。
「………《転移》!」
シュン!
じいさん額がピクピクしてるね。大丈夫?そして《転移》ってのはスキル?
「………ゴホンッ!では、話を戻すぞ?《鑑定》で見れるお主のスキルとレベルじゃどうしようも無いとは思うがの。」
「ははっ、確かにレベルは低いですね。でも、レベルはただの目安だと思うんです。例えば、言葉を知らない赤ん坊が話し出したとき進歩したと思いますよね?初めて歩いた子供を成長したと思いますよね?でも、レベルは上がらないですよね?」
「ふむ、確かに」
「そして、このドアのガラスを壊したやり方はこうです。」
壁に近づき、壁をコンコン。軽い音のなる所で腰を落とし手を添える。やる技は寸頭。寸頭は手を壁にくっつけて全身のからだの捻りを使い打ち込む空手の技。コツはいるけど得意技ベスト5にはいる位には得意。
「シッ!」
バキィッ!ガラガラガラガラガラガラ!!
「………フゥ」
「………………」
ん?なんか固まって動かないよ?これで信用してくれるかな?ってかハゲスラも口開けて固まってる。
「お主………どうやったのだ?」
「簡単です。壁に亀裂を入れたんです。」
「いや、見ればわかるわ。そうではなく、なんと言う技なのかと言う意味じゃ。」
「寸頭といいます。空手の」
「?………聞いたことがないのぉ………」
うん?この世界には空手はないのかな?まぁいいや。
「信用して頂けましたか?なのでこの者たちには軽い罪、もしくはお見逃しをお願いしたいと進言致します。お願いします。」
「ふむ、よかろう。去るがいい。そして、ここには2度と来るでないぞ。」
「「「「「わかりました!!」」」」」
全員いい返事ですね。そして逃げんのはやすぎだろ!俺の優しさ返せバカチン!
そこで校長は人払いをするために他の生徒に帰るように促し、遂に2人きりになってしまう。これから何すんでしょーね。
「さて、お主には少し話がある。の、前に。まずは休むのじゃ。これからの話もある。ガトよ」
「はっ」
校長の後ろから黒髪黒スーツの小柄な女の子が出てきた。忍者やーん。
「客室まで案内して、対応をよろしく。」
「畏まりました。」
「あっそうじゃ、ワシはクロノス・ワームじゃ。覚えておれ。《転移》」
「こちらです。どうぞ。」
校長は消えてガトと言われる女の子だけになった。そこからは案内されて、客室でご飯とベッドが用意されていて、とても綺麗に管理されている部屋だった。そういえばお昼ぐらいになってたね。
「今回はこちらのお部屋でおくつろぎください。また、ここから出られる場合はお声をかけて下さい。」
「分かりました。ありがとうございます。」
彼女は部屋を出て静かになった。今回はって言ってたしこれで生きていけるね。牢屋でもないし安心できるね。
「よし、寝よう。」
もう寝ますね。だって疲れたお。
◆◇◆◇◆◇◆◇
おはようございます。あれから大分寝て朝です。もう疲れがとれたよ。ベッドで寝れたし、お風呂あったから朝風呂して、ソファーでくつろいでます。
コンコン
ちょうどいい時間にノック。どうぞというとガトちゃんが入ってくる。うん、やっぱちっこいね。
「ミヤビ様、おはようございます。」
「おはようございます。」
「………」
ん?どうしたかな?なぜかじっとこっちをみてるね。………怪しくね?
「………すいませんが死んでください。」
「ちょっと何いってるか分かんない。」
「構いません。《筵》」
ボケたけど無視ですか?周りから針の雨が襲ってくる。
カカカカカカカカカカカキンッ!!
「あーそういうのいいんで、求めてないんで」
「ちっ!《筵箱》!」
ギギィィィィィ!!バダンッ!
《アイアン・メイデン》ってだけあって人形の箱に収まる俺。
ビキィィィィィィ!!
まぁ《反射》でなんとかなるけどね。
「………なん……で………」
「いやぁ怖いからね?物騒だからね?俺死んじゃうからね?」
「………なぜ生きてるのですか?」
「生きたいから抵抗したんですけどぉぉ!?」
全ッ然納得いってない顔だね。この世の女性は出会い頭のほぼ初対面の人にぶっ殺す事いとわない人ばっかなんすかね?おかげて落ち着いて対応出来たよ!?
「ガトッ!」
そこに瞬間移動してきた校長。叫んでますね。何かあったのかな?
「………クロノス様………」
「またか………」
「全課ありかい!止めようね!?」
いや何はぁ?みたいなかおしてんの!?悪いのあなたですからね!?
「私はクロノス様が心配でぶっこ………事前にてを打とうとしたまでです。」
「根拠ないじゃろが。それ………」
「はい、サイコパース」
校長はため息はいて申し訳ないと謝る。ガトちゃんの早とちりらしい。そして2度とこう言う事をさせないと誓ってくれたよ。
「おほん、それではこれからの事をちゃちゃっと話すからな?」
「はい。」
「お主はこの学園に入学してもらう。」
「………なぜですか?」
「お主は趣味はあるかの?」
「もちろん!」
ハッ!遂元気で返事しちゃった………
「ホッホッホッ。元気で何よりじゃ。実はこの学園には面白いものがあっての?」
ここからはこの学園の特徴をきいた。この学園は《白式学園》という。この学園以外に《赤式学園》、《青式学園》、《黒式学園》の4つがあり、この世界の《4代学園》と言われてる。
この~式と言うのにはそれぞれの過去学園の、世界最強と言われる4人の特徴で決められたらしい。《白式》は魔法使い。《赤式》も魔法使い。《青式》も魔法使い。《黒式》もなんと魔法使い。ばらんすわりぃなぁ………
また、この学園にはダンジョンがある。これは地下に続く穴があり、そこにもぐるとモンスターがうようよいて、ダンジョンをら守ってるらしい。守ってるらしいという表現には理由がある。ある学生がダンジョンに攻撃をした時にモンスターがその学生めがけて攻撃したのだ。他の学生がいたのにその学生を、真っ先に殺そうとしたらしい。何故かはまだわかってないらしい。因みにダンジョンは他の学園にもあって全部で七つ。
他には学園でのイベントがめじろ押しなことやサークルなんてのがあるらしい。また。学食もあるし寮もあるらしい。
「………という感じかの。どうじゃ?興味湧いたかの?」
「………んーあんまり興味ないですね。趣味はひとりでも出来ますし」
「ホッホッホッ、そりゃそうじゃな。じゃがお主は人に趣味を披露できるほど趣味を追及しとらんな?それに自信がないと見えるが?」
分かりやすい挑発だね、でもムカつくのもあるし、何より住むところが困らなくてすむから挑発には乗ろうかな。
「というと?」
「自信ないがキが意気がってるようにしか見えんと言うとるのじゃよ」
すごい柔らかい笑みでいわれた。こんにゃろぉ………
「いやぁお誘いして頂いて誠に恐縮ですが、入学出来るほどの資金がありません。なので無理ですね」
「ホッホッホッ。安心せい。文化祭があるんじゃがこれが面白くての、1番絶賛されるショーをした者には賞金が出るんじゃが………」
「それを成せればいいんですね?分かりました。やります」
校長ニヤリと笑い手を打って歓迎すると言われた
「早速じゃがお主は家も無さそうじゃろうし、寮に住んでくれ、そして明日から通学するように。分かったかの?」
「喜んで」
これで学園に通うことになったよ。元々28だったから10年ぶりだから、少しワクワク&不安があるけど頑張ろう!つうかぜってーに驚かしてやる!!
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