5話
しばらく歩くと
「ほら、ここが理事長室だよ」
着いたのはとても重厚そうな扉の前だった
「ふふ緊張しなくても大丈夫だよー」
ユラは扉を開けアルに中に入るように促した
アルは緊張しながら恐る恐る部屋の中に足を進めた
そこには理事長らしき人がおり電話対応をしていた一応声をかけるのはまずいなと思い電話がおわるのを待つことにした
待つ間にアルは理事長を観察していた
理事長は金髪を後ろで纏めビシッとしたスーツを着ていた
遠目で見ても自分より背が高いのは一目瞭然で少し落ち込んだ
しばらくすると電話が終わりこちらに向かって理事長が
「すまない、待たせてしまったね。こんにちはアル君だね?ようこそ、ディオラ学園へ!長い間馬車に揺られて疲れたろうこちらに掛けなさい。」
電話が終わった理事長はアルにソファーに座るように促した
「ええーっと失礼します。あの、ユラさんは?」
アルはソファーに座ることにしたがユラはどうするのか?と理事長になんとなく聞いてみた
「ああー君かい。アル君の案内役ご苦労様もう下がっていいよ」
するとユラは姿勢を正し「失礼します」と言い残し部屋から出て行った
え?ユラさんどっか行くの?理事長と2人っきりとか気まずいだけど
アルがうーんと唸っていると
「ふふ、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。一応私はここの理事長をやっといるから君を取って食うなんて考えていないから」
理事長は今までのきりっとした顔からにこにこと冗談を言ってきた
「はあ」
「まあ、この学園に入る事が出来る子達は理性と忍耐力がきちんと有るから普通の学校に行くより安全だろう」
安全なにそれ?ん?
「え?」
「なにをそんな不思議そうな顔をしているのかね?ああ確かに君は10歳でこの学園に入るからまだそう言った話には疎くて当然かふむ、しかしこの学園にいたら嫌々でも知っていくだろうし。むしろ知らない事につけ込む奴も居そうだな。ふむ」
アルは頭に?マークを沢山付け理事長の言葉を待っていた
「よしっ!アル君!」
「はいっ!」
いきなり名前を呼ばれ反射的に返事をしたアルを微笑ましく見つめしゃべり始めた
「アル君この学園はこの国の将来を担う生徒達を輩出する学校という事は知っているだろう」
「はい」
「そのためこの学園にはそれぞれの分野で優れている者が集まっている。」
「はい」
だからそんなこと言わなくても分かってるんだけどなー
「そんな人間を欲しいというのは当然であろう」
「……え?」
「だからだね、優秀な人間の子供を欲しいというのは男女共に一緒だろう?この学園に入り卒業できたものは将来が約束されている。そんな優秀な人材を自分の家に取り込みたいと思うのは当然だろと言っているのだ。なので、君は容姿もいい。しかもこの学園に女子を退け、首席で入学した君には恐らく沢山のお見合いが来るだろう。なので、この学園では力ずくでは無いだろうが用心したことはないのだよ」
まさかそこまでとは思っていなかったので
「は、はい分かりました。気をつけます」
と引きつった笑顔で答えた




