3話
「ぜえぜえはあはあ ぐ、苦しい」
「ふふ、アル、ゆっくりでいいよ」
あの話し合いから1週間 毎朝ママと走り続けたが、やはり9年間眠っていたせいかなかなか体力がつかないのであった
「ううう、なんでこんなに走れないんだろう。ごめんねママつき合わせちゃって」
「いいのよ、私はアルがこうやって私を頼ってくれるのがうれしいだよ。だから、ゆっくり体力を付けていこう」
ママは慈しむような笑みでアルを見た
アルはその笑顔で勇気づけられ
「うん!ありがとう!よっし!パパが朝ごはん作って待ってくれている家まで走ろう!」
「うん、その意気だよアル!」
そのままパパが待つ家に帰りシャワーを浴び朝食を食べたそして、学校に行って恥をかかないように勉強をしていた。
しかし、こちらの世界より元いた世界の方が文明的に進んでおりしかもリアは石川 智香の時に大学で教員免許を保険で取っていたため正直言ってこちらの世界の勉強は簡単だった
でも、両親を悲しませたくないのでしっかりと勉強はしようと思い机に向かった
ちなみにアルはまだ知らないが今回入学する入試最優秀成績者になったのは紛れもなくアルだった
成績優秀者は新入生代表の挨拶をしなければいけないが今回はアルが9歳まで目を覚まさなかった事であまり人と接する事に慣れていないのと男である事が理由で辞退させた
この国では基本家を継ぐのは女だ、なので良い教育を受けれるのは基本的に女の子でやはりお金持ちの子ではないと男の子にはよい教育を受けさせる事が出来ない。なので成績優秀者も女の子しか今までなったことがない
アルは目立つことが嫌だといったのでそこは意を汲んで辞退しようと学校側に申し出たのだ
そして、学校に行くまでに編み物や家事をしながら町の子供とも遊んだりしてだいぶ人馴れはしてきた
しかし、この世界では女の子の中にガキ大将がおりガキ大将と呼ばれる子にはいつもおいかけまわされ泣きながら家に帰るのであった
ただ、そのガキ大将の子に追い掛け回されたおかげで絶対に捕まりたくないという緊張感が持て持久力や逃げ足は普通の女の子よりも早くなった
ちなみにこの世界では男の子が走り回るなどということはあまりない
なのでそもそも女の子から逃げ回るという時点ですでに目立っているのだがそれをアルは気づいてない
そして、アルの10歳の誕生日がやって来た
アルは3月生まれなので誕生日が来るということは学校に行く日が迫っているということだ
その10歳になるアルの誕生日では、町で仲良くなった子たちも集まり盛大なパーティーとなった
そこでガキ大将と言われていた女の子から透明なキューブの形をした石のネックレスをもらったそして睨み付けるようにアルを見て
「あんたディオラ学園に行くんだよな」
「そうだよ」
「あたしもそこの騎士科に行くんだ」
「そうなんだー」
この女の子はとても真剣な目でこちらを見ながら喋るがいかせん何が言いたいか正直分からん
そうこうして適当な返事をしていると向うが業を煮やし
「私は18歳になったら次は本物のダイヤのネックレスをプレゼントするわ!だから!その時あなたの気持ちを聞かせてもらうわ」
「あ、ああ」
最後は半場宣言するように言われてしまいネックレスを送るのになぜそんな息まいているのだろうと不思議に思った
そんなことを考えているともう一度女の子がこちらを振り返り
「私の名はナオよ!」といわれた
そうかあの子の名前はナオだったんだ! てかこのネックレスは何だろ?まあいいや後でパパに聞こう
アルはかるーい気持ちでパーティーに戻った
そしてパーティーから10日後ついに町を離れて学校に行く日が来た
家の前には1台の馬車が止まっておりちょうど両親から見送られる時だった
「ああ本当にいっちゃうんだね」
「パパ大丈夫だよまた夏休みには帰ってくるし」
「本当に何かあればいつでも連絡するんだぞ」
「ママも心配性だなー大丈夫だって!」
「そうだよね、なんたって誕生日の日ナオちゃんだっけ?あの子からもうネックレスを貰っちゃたもんね」
「さすが私の息子だ、もうネックレスを貰ったのか」
「そういえばネックレスを渡すのって何か意味あるの?」
「アルあのねネックレスを相手に渡すのは、、、、、」
馬車は走り出し両親は手を振りながら見送った
しかし、馬車の中でアルは顔を真っ赤にさせながら
「うう、知らなかったネックレスを渡すのって”先約”を意味するだなんて!てゆうかこんな意味が込められているんだったら貰わなかったよーあー」
アルは初めてネックレスが求婚の証ということを知り気恥ずかしくなり学園までの道中はずっと悶々とした気持ちでいたのだった




