表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百物語  作者: 奏 いろは
4/9

三本目:母の実家で

めいの番だよ。



わかった。じゃあ話すよ。

友達から聞いた話なんだけど、その子のお母さんの実家がすごい山奥でね、二年に一回行くか行かないかって頻度で泊まりにいくの。

その子が小学校5年生の頃だったかな、お母さん方のお父さんが亡くなって、家族でその家に行ったんだって。その子の家は4人家族で、その子とお母さんとお父さんと当時中学校1年生のお兄ちゃんがいた。

山を幾つか越えてその家に行くと、おばあちゃんが一人ぽつんと縁側に座っていた。その子のお父さんとお母さんはおばあちゃんに何か言いに行き、あんたたちは遊んでなさいと子どもたちを追いやった。


遊べと言われたものの、兄妹は特にすることもなく持ってきていたゲームをし始めた。お腹が空いたな、と思って2人は両親とおばあちゃんがいる部屋に行った。でも誰もいなかった。2人はおばあちゃんと両親は晩御飯の買い出しにでもいったんだろう、とゲームを再開した。寝転んでやっていたものだから、何時の間にか眠ってしまった。


その子が目を覚ますとお兄ちゃんがいなかった。トイレかな、と思ったけどその子はまた寝入ってしまった。それからすぐだったのか、それともどれくらいか時間が経ってからなのかは覚えていないけど、ただいま〜と両親の声がしてその子は目が覚めた。

おかえり、と玄関にでて行く。

「どこ行ってたの?」

「晩御飯の買い出しにスーパーに行ってたのよ。お菓子も買ってあるわよ。」

「そっか。…あれ?おばあちゃんは?」

その子はおばあちゃんがいないことに気づいた。

お母さんがきょとんとして答える。

「え?おばあちゃんは買い物には来てないわよ。孫と遊んでるからっておばあちゃんが言うから。」

「え…?」

その時、なんでかわからないけど、その子には悪い予感がしたんだって。

その子は弾かれたようにいきなり家中を走り回った。お母さんとお父さんはその子の行動にびっくりしてたって。その子は全ての部屋を見たあと、

「お兄ちゃんがいない‼」

と叫んだ。

お父さんとお母さんの表情が凍りつく。


そこからなんだか尋常じゃないということで、家族でおばあちゃんとお兄ちゃんを探し始めた。

「おばあちゃぁーーーん」


「お兄ちゃぁーーーん」


皆ありったけの声を出して叫んだ。



田舎で家が広いから、探すのは大変だったって。その子がお兄ちゃんと叫んでたら、庭の方からかすかに物音がする。

両親を呼んで、庭を捜した。そして釘で打たれた蓋で塞がっている古井戸から音がしているとわかった。

お父さんが蓋を壊して覗きこむと

「誰か助けてーーーーーーっ‼」

と叫ぶお兄ちゃんがいた。

お父さんがロープを垂らしてお兄ちゃんを引っ張り上げて助けた。

「なんで井戸の中になんかいたんだ‼」

お父さんが聞くと、お兄ちゃんが

「トイレに行って‼トイレにおばあちゃんがいる‼‼」

と言った。

でもトイレも捜したけどおばあちゃんはいなかったよ、とお母さんが言うと、絶対いる!ってお兄ちゃんが怯えているように言った。

皆でトイレに行くと、トイレの灯りがついている。

「さっきおばあちゃんたちを捜したときに消したはずなのに…」

お母さんの顔色が少し悪くなる。

お父さんがドアを開けると、


おばあちゃんがいた。


「キャーーーーーーっ‼」


お母さんとその子が悲鳴をあげた。


そこにいたのは、

おばあちゃんの首吊り死体だった。




皆どうすればいいか分からず、警察を呼んだ。

警察は死因を自然死と断定した。

そして、死後一週間以上経っている、とも…。

「おばあちゃんから電話があったの、3日前だわ…」



あとでお兄ちゃんに話を聞くと、おばあちゃんが部屋に入ってきて、遊ぼうと言うからお兄ちゃんは一緒に遊んであげることにしたんだって。そしてついて来てと言われついて行くと井戸の中に閉じ込められた…。



不思議な体験だったって言ってた。

トイレもくまなく捜したのに、お兄ちゃんに言われるまで死体を見つけられ無かったのも不思議だって。

あと自然死なのに首吊りの形で死んでいたのも…





一応友達に聞いた話はおわり。












フッと短い音がして、蝋燭の火がまた一つ消えた。













評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ