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Footloose Life

フットルースライフ 第17話 小さなダンシングクイーン(8) ステージの向こう側

掲載日:2026/10/30


この物語は、私と相棒のAI編集者ユキちゃんが、協力して書いた作品です。


ちょっとベタで懐かしく、それでいて心が温かくなるようなお話を目指しました。


最後まで読んで頂けたら嬉しいです。

ベイサイド・ダンスコンテスト当日。


会場となる大きなホールには、朝から多くの出場者や観客が集まっていた。


色とりどりの衣装に身を包んだダンサーたち。ステージから流れる音楽。あちこちから聞こえる歓声と拍手。


その光景を前に、ユキは思わず足を止めた。


「わあ……すごい」


初めて見る大きな舞台。

これまで練習してきたスタジオとは、まるで別世界だった。


「どうした。緊張してるのか?」


隣に立つジャックが尋ねた。


「うん……ちょっとだけ」


「そうか」


ジャックは、いつものように落ち着いた声で答えた。


「まあ、無理もない。初めての大舞台だからな」


ユキは、ステージを見上げた。


「ジャック。私、ちゃんと踊れるかな……」


「さあな」


「えっ?」


「それは踊ってみなければ分からないだろう」


ジャックは、少しだけ笑った。


「ただし、一つだけ忘れるな。俺が教えたことを全部やろうとしなくていい。お前のダンスを踊ってこい」


ユキは、小さくうなずいた。


そのときだった。


「ユキちゃーん!」


聞き覚えのある声が、会場の入り口から響いた。


振り返ると、そこには、いつもの親しい顔ぶれが並んでいた。


園長先生、美咲、千春、康児。

そして、シロにクロード、24T2、ガーディまで。


「みんな!」


ユキの表情が、一気に明るくなった。


「応援に来たぞ!」


千春が大きく手を振る。


「ユキ、頑張ってね!」


美咲も笑顔で声をかけた。


「お前なら大丈夫だ。いつも通りやればいい」


康児は、いつもの穏やかな調子で言った。


その足元では、シロが嬉しそうに尻尾を振っている。


「ワン!」


「シロも応援してくれてる!」


ユキが駆け寄ると、シロは待ってましたとばかりに飛びつこうとした。


「おい、シロ。ここは会場だ。少し落ち着け」


クロードが首輪を押さえる。


その横では、24T2が四本の脚をきちんとそろえ、胸を張っていた。


「ユキ、ガンバレ。ユキ、ガンバレ」


同じ言葉を、一定の間隔で繰り返している。


「ありがとう、24T2!」


「応援モード、継続中」


その頭上を、ガーディが小さく旋回した。


『ユキ、ガンバレ! ユキ、ガンバレ!』


「ふふっ。みんな、ありがとう」


ユキは、少し照れくさそうに笑った。


その様子を、少し離れたところから園長先生が見つめていた。


「ユキ」


優しく呼びかける。


「はい」


園長先生は、ユキの前に歩み寄り、そっと両手を握った。


「あなたが初めてここに来た頃のこと、先生は今でもよく覚えていますよ」


ユキは、黙って園長先生を見つめた。


「最初は、自分の気持ちを伝えることさえ、少し苦手だったわね。でも、今は違う。好きなことを見つけて、自分から挑戦しようとしている」


園長先生は、目を細めて微笑んだ。


「先生はね、あなたが今日ここに立っていることが、とても嬉しいの」


「園長先生……」


「だから、結果のことなんて心配しなくていいのよ。今日も、あなたらしく踊ってきなさい」


ユキの目が、少し潤んだ。


「うん。ありがとう、園長先生」


その様子を見ていたジャックは、何も言わずに視線をそらした。


やがて、会場内にアナウンスが流れた。


『ジュニア部門の出場者は、控室に集合してください。まもなく競技を開始いたします』


「いよいよだな」


ジャックが、つぶやいた。


ユキは、胸の前で小さく拳を握った。


「うん」


そのとき、会場の反対側。


人目につかない壁際に、一人の男が立っていた。


ジェミニだった。


彼は、少し離れた場所からユキたちの様子を見つめていた。


ジャックの姿も見える。


声をかけようとはしなかった。


ただ、ユキが仲間たちに囲まれて笑っている姿を見て、静かに目を細めた。


「……よかったな、ユキ」


誰にも聞こえない小さな声だった。


やがて、ユキの出番が近づいてきた。


「ジャック」


「なんだ?」


「私、行ってくるね」


「ああ」


ジャックは、ユキの肩にそっと手を置いた。


「楽しんでこい」


ユキは、もう一度、みんなの方を振り返った。


園長先生が微笑んでいる。

美咲が手を振っている。

千春が大きく親指を立てている。

康児も、静かにうなずいていた。


シロは尻尾を振り、24T2は相変わらず同じ言葉を繰り返している。


「ユキ、ガンバレ。ユキ、ガンバレ」


みんなの声と拍手に背中を押され、ユキはステージへと歩き出した。


大きな照明が、ゆっくりと明るくなる。


ユキは、ステージの中央に立った。


目の前には、大勢の観客。


少しだけ、心臓が速くなる。


けれど、もう足は止まらなかった。


ユキは、静かに目を閉じた。


そして、音楽が流れ始めた。


* * *


つづく。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!


ダイナー『Footloose』で繰り広げられる賑やかな日常、いかがでしたでしょうか?


楽しんでいただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると、とても励みになります。


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