「復讐とは?」
幼少期からやり直す。いや、もういい。めんどくさい。ここでこの王子を殺せば全て終わりだ。メアリーは隠し持っていたナイフでラインハルトを刺した。
「?!めあ、りー?」
ラインハルトはそのまま絶命した。
兵士達が直ぐに行動を起こす。
「この子供を捕まえろ!!」
兵士達に取り押さえられる。
「ははははははっ!ざまぁみろ!!」
そのまま牢獄へと送られた。そして処刑される。目が覚めた。
メアリーは膝から崩れ落ちる。打ちひしがれた。
「どうしたら?!どうしたらっ!どうしたら復讐できるのよ!!??」
カレンダーは過去に戻っていた。
どうして?私は復讐をなしとげて……
「どうしてかって?あれではあまりにも面白みがないじゃないか!」
黒い影がそういう。
「もっと面白い殺しかたをしてもらわないとこっちとしても割に合わないよ!」
「そん、な……。」
そう、この悪魔が納得するまで私は殺され続ける。その事実を知り、絶望した。何時間たっただろう。ルイがノックして入ってきた。
「お嬢様、どうなされたのですか?」
「復讐、したいの。でも!出来なくって……私。」
ルイはそっと手をメアリーに差し出した。
「やめましょう。復讐なんてなんにもなりません。それより、メアリー様が幸せになる方法を考え……」
「お黙り!!私の幸せは奴らへの復讐の完遂!それ以外にありえないわ!!」
「お嬢様……。」
部屋から飛び出した。走る走る走る。王城まで走った。警備の者に止められた。城には入れない。その場に崩れ落ちた。
「なんで、なんで、……できないの?」
涙が頬を伝う。ポタッ。その雫は床に落ちる。
「ああああああああああああっ!!」
憎い!憎い!憎い!奴らが憎い!!なのに、なのに、何をしても心が晴れない!どうして?!どうして?!どうして?!
「誰か……たす、けて……。」
誰にも、その叫びは届かない。もうとっくに分かってた。こんな生き方に意味なんてないって!復讐なんか意味ないって!!それでもっ!それでもっ!!ソレしか思いつかなかった。ソレしか、私にはなかった。だから、だからっ!!
「たす、け、て……」
誰でもいい!誰か!私を、私を、私をっ!
「消して……。」
消えたい。もう消えてしまいたい。
「そんな悲しい事、言わないでください!」
ルイが走ってやってきた。
「ルイ、なんで……?」
「お嬢様を1人になんてさせませんから!!僕はっ!」
そこまで言った時だった、視界が歪む。気がつくと婚約発表の前日の未来に戻っていた。
「君が失敗したのは戻し過ぎたせいかもしれない。だからこの時に戻してあげたよ?」
「…………舞踏会へ、行かなきゃ……。」
メアリーは1人で走った。招待状を握って走った。舞踏会へと急ぐ。そして、ついた。息を切らして会場へと入る。
いた。あの女もラインハルトも!
「メアリー様?」
「メアリー?!」
そこにいたメアリーはとても舞踏会へ来た客とは思えなかった。
「いくらなんでも、酷すぎます!私達の門出を祝うパーティーなのにそんな格好……ふふっ。」
ひかりは笑いを堪えるのに必死だった。
メアリーはひかりへと突進した。
「え?!」
手をナイフをもって。それはひかりの腹部を割いた。血しぶきが飛び散る。
「ひかりーー!!??」
ラインハルトが叫ぶ。ひかりは絶命していた。メアリーは今度はラインハルトへ突っ込む。ラインハルトの腹部を切り裂こうとして失敗した。腕にかすっただけだある。
ルイが走って来た時には遅かった。もう、メアリーは拘束され、牢屋へ連れて行かれるところだった。
「この、狂った女を早く殺せ!!この悪女がっ!!」
ラインハルトは兵士達にそう命じる。
「待ってください!1人ぼっちだった僕を、拾ってくれた!愛を知らなかった僕を愛してくれた!そんな人がっ!悪女なわけない!!」
「黙れ!あの女の下僕ごときが私に楯突くとは!死刑だ!!誰かこいつも連れていけ!!」
ルイは捕らえられて直ぐにメアリーと共に処刑された。死体は街角で見世物にされた。メアリーの死体と共に……。
メアリーは目が覚める。また戻っていた。