「爆弾しそうな思い」
毒殺は失敗に終わった。次はどうしようとメアリーは考える。とりあえず、図書室へと向かう。何かいいアイデアがないかしらとメアリーが考えていると良い本を見つけた。また高い所にある。
「爆弾の作り方か。」
本を手に取ると足元がぐらついた。そのまま転落する。
「お嬢様!!」
ルイがなんとか抱きとめてくれた。
「ありがとう。ルイ。」
「高い所の本なら僕に言ってくだされば……」
「大丈夫よ。貴方が助けてくれるってわかってるから。」
「!」
ルイの腕から降りる。今度こそは成功させてみせる。爆弾を作ることにした。材料を集めて爆弾を作る。上手くできた。
「初めてにしては上出来ね!」
「お嬢様?それは?」
「……貴方には関係ないものよ。」
メアリーがその箱を大事そうにしていると、ルイは少し不思議に思ったが気にしない事にした。
また招待状が届く。舞踏会へと爆弾を付けて、馬車で向かう。メアリーは自爆するつもりだった。自分ごと2人を地獄に送ってやろうと考えていた。婚約発表をする2人がメアリーに寄ってきた。
「メアリー様。来てくださったんですね!」
ひかりは機嫌よく明るくそう言った。逆にラインハルトは不機嫌そうだった。
「こいつまで呼ぶ必要なかったんじゃないか?」
「私達が幸せな所を見せてあげたくって!私達が幸せな所を見て幸せになってほしいなって思ったんです!」
「全く、ひかりは優しいな。」
何が優しいのだろ?全く優しくないし、余計なお世話である。
「ご招待いただきありがとうございます。」
「ふんっ!感謝するのは当然だ!」
ラインハルトは不機嫌そうに吐き捨てる。こんな人の事が一時期はすきだったなんて思いたくなかった。2人が近くに居るうちに起爆スイッチを押した。爆弾は爆発した。会場は混乱状態になった。
「何?!」
「なんの音?!」
「いやあああっ!!」
ルイは外で待っていた。爆発音が響く。外にまで聞こえていた。
「お嬢様?まさか……。」
ルイは会場へと急ぐ。そこはパニック状態になっていた。なんとか人混みをわけて進む。やっと開けた場所に出たと思ったらルイが見た光景は酷いものだった。火柱があがっている。何より、黒焦げの何かが飛び散っていた。
「!」
黒焦げのそれは今日メアリーが付けていたネックレスに似ていた。
「…………お、じょう、さま?」
ルイはただただその場に立ち尽くす。逃げていた参加者の男に声をかけられる。
「おいっ!君!早く逃げた方がいい!火の手がこっちまで……」
ルイは感情が爆発しそうだった。もう、耐えられなかった。
「メアリー様っ!!」
炎へと向かってゆく。止められた。
「やめろ!死ぬぞ!」
「お嬢様がっ!お嬢様がっ!!」
半狂乱になるルイを何人かの男が引き止めて城の外へと連れ出した。城はあっという間に炎に包まれる。
「め、メアリー様……。」
あの箱はなんだったんだろう。
「誰かが爆弾で自爆したらしい。」
爆弾?あの箱は、まさか……。まさか。
「メアリー様。」
ルイは立ち尽くすしか無かった。城の炎は消えることなく、翌朝やっと炎が消えた。城は全焼した。
目が覚める。そこはやっぱり過去だった。
「はぁ、自分ごとだとやっぱりだめかぁ。あいつらだけを葬らないと意味がないわよね。」
「当たり前だろ?」
どこからか声が聞こえる。メアリーはその声の主が誰か知っていた。窓の外には黒猫がいた。
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