「惚れ薬」
メアリーは戻った。結婚発表の前日まで。ドアを開ける。
「いたた……。」
「はぁ、ルイ。盗み聞きかしら?」
「そんな、滅相もありません!扉を開けようとしたらちょうど……」
「そう。」
メアリーはまた図書室へと急いだ。今度は別の方法で殺そう。メアリーはある本を見つける。またまた偶然にも上に置いてある。梯子を登る。本を手に入れると梯子がぐらついた。また落ちる。
「お嬢様っ!!」
ルイはなんとか間に合った。メアリーを抱きとめる。ルイはギリギリ間に合った。落ちてきた当の本人は涼しい顔をしていた。
「ありがとう、ルイ。」
「いえ。」
ルイの腕から降りる。
「その本は?」
「ふふふっ、できたらわけてあげてもいいわよ?」
「?」
メアリーは本の通りの材料を集めてレシピ通りにつくる。
「完成よ!ふふふっ!」
ルイが後ろから覗き込んだ。
「あの、それは、何の薬ですか?」
「飲んでみる?」
「え?」
「これ、惚れ薬よ!ふふふっ!」
「!!」
ルイは顔を赤くした。
「あら、その様子なら好きな子でもいるのかしら?わけてあげてもよくってよ?」
「い、いりません!!」
「?どうして?」
「薬で好きになってもらったっていみないですから……」
「ふーん、あっそ。」
「メアリー様は、それを、誰かに使うつもりなんですか?」
「ええ!そうよ!」
「…………」
それを聞いてルイの顔は青ざめた。
「?どうしたの?大丈夫?」
「あ、いえ、大丈夫、です。」
舞踏会へと向かう。ルイの顔は何故かいつもより曇っていた。
「それじゃ、行ってくるわね。」
「あっ!」
「?何?」
「…………本当に、いくんですか?」
「ええ!それじゃ、馬車番よろしくね!」
「…………いってらっしゃいませ。」
ラインハルトは飲み物を一旦置いてひかりと踊っている。惚れ薬をラインハルトの飲み物へと入れた。それを飲んでからメアリーは彼の視界に入った。そして、ラインハルトはおかしくなった。
「ひかり、悪いが君との婚約の話は無かったことにしてほしい。」
「え?!ラインハルト様?何を……?」
ラインハルトはメアリーの方へと歩み寄る。
「メアリー、やっぱり私の婚約者は君しかいない!是非私と結婚してほしい!!」
ひかりは眼をと口をあんぐりと開けて驚いた。
「ラインハルト様?!何をおっしゃっているの?!私の事を愛してるって……」
「やっぱり、私には花嫁として訓練された結婚相手が相応しいと思うんだ!すまない。ひかり。別れよう。」
「う、そ……。」
ラインハルトはメアリーの手を取った。ひざまづいて手に口づける。
「愛しているよ。メアリー。」
「嘘よ!こんなのおかしい!王子に何したの?!この人でなし!!」
「誰かこの女を連れていけ!私の婚約者を愚弄した罪をとう!」
ラインハルトは相変わらず自らが正しいと思えば容赦がない。
「ラインハルト様?!ラインハルト様ーー!!??離せっ!触るなっ!!やめろぉおおお!!」
ひかりは見るに耐えない姿と金切り声でみっともなくラインハルトに縋り付こうとする。
「メアリー好きだよ。奥へと行こうか。」
「……ええ。」
この場合の奥へ行こうとはおおよそ奥の部屋で休む。つまり男女の関係になることをさす。メアリーは快諾した。彼は奥の部屋へと2人が消えて行くのを見届けることしか、できなかった。
「メアリー、様……」
拳を握りしめる。ルイは歯を食いしばる。これでいいんだ!彼女が幸せになるならっ!僕は、オレはっ!彼女の隣に入れなくても!彼女を陰ながら支えられるなら!それだけで……!!
★★★★
奥の部屋にてベッドにメアリーは座る。ラインハルトはメアリーにキスをしてそのまま押し倒そうとする。
「メアリー、愛してるよ。」
「そう……私はあんたなんか大っ嫌いよ!!」
「へ?」
メアリーはラインハルトを、隠しもっていた包丁で刺した。
「め、めあ、りー?」
鮮血が滴る。
「私の事殺したくせに!!」
「なにを、言って……」
ナイフを振りかざす。
「1人ぼっちになった事なんか無いくせに!!」
「ぐあっ?!」
刺す。
「私の事何にも知ろうとしなかったくせに!!」
「ぐ……」
刺す刺す。
「今更!……おそい、のよ……!!」
「め、あ……」
刺し殺す。息絶えた。
「さよなら。馬鹿王子!!」
様子がおかしいと思った兵士達がやってくる。ソレを見つけてしまう。兵士達がメアリーに掴みかかる。
「……ははっ。」
メアリーを取り押さえる。
「はははっ!死ね死ね死ね!!皆死んじゃえ!!」
部屋にはメアリーの笑い声が響いていた。




