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第7話:進化とは

「まず進化についてだが、ゴブリンは10レベルから可能だ。進化しなくても最大30レベルまでは上がる。そこで打ち止めだがな。

進化先は、個々のスキルや趣向によって選択肢が増える事もある。基本はホブかアーチャーが多いが中には、シャーマン、プリースト、ライダーになる奴もいる。」


この集団のボスであるホブゴブリンは、俺が献上した果実の2つ目にかぶり付き話を続ける。


「何もしなくてもホブとアーチャーは進化先の候補に出てくるが、それ以外は特殊条件が必要だ。専用のスキルや個人の崇拝、得意な事、好きな事で変わってくる。呪文スキルを持っている奴はゴブリンシャーマン、日々魔神に祈りを捧げてる奴はゴブリンプリーストが選択肢に出てくるだろう。」


なるほど、基本的な進化先は用意されているが、条件次第では進化先も増やせるという事か…。  


「殆どの連中は、レベル10になった段階で進化するが進化先に執着する奴はレベル30になるまで粘っている。スキル習得等で望んでいる進化先に行く為にな。だが、お前も知ってる通りゴブリンのままでは生き残るのは難しい。早めに進化したほうが賢明だぞ。ガハハハ…。」


「………。そう、…ですね。」


「まぁ、俺が知ってるのはこの程度だ。後はお前のやりたい様にやってみるんだな。早く強くなり俺様に貢献してくれ。」


「はい、ありがとうございます。」


「あと次回からは、人間の女を献上してくれると嬉しいぞ。ガハハハ!」


「………。善処します…。」




寝床に帰り、ボスから聞いた話を整理した。

今の俺には、隠密+短剣+弓術というスキルがあるがアサシンやレンジャー等に進化先候補であるのだろうか?

だが、一先ず知りたい事は分かった。あと3レベルで上位存在になれるし、気に入らない進化先ならもう少しレベルを上げつつスキル習得等に励めば良い。そう思いこの日は眠りについた。


翌日、経験値取得の為にスライムを狩り尽くしたが全然レベルが上がらない。コボルト戦で大幅にレベルが上がった影響だろう。


「やっぱり簡単にはいかないよな〜…。」


そう呟きつつ森を散策し、他の倒せそうなモンスターを探す。日も沈み始めた頃、ウサギのような耳の生えた人型の獣…コボルトを発見した。今回は2体いるが、こちらには気付いてない…。だが、何やら捜索しているようだ。


「コノ…辺か?」


「タシカ、そうダ。偵察デ、この辺マデ来ているはずダガ、何日モ、帰っテ無いカラな。」


聞き取りづらい言語だが、どうやら仲間を探しているらしい。おそらく俺が仕留めたコボルトだろう。


「マズイなぁ…、コボルト達の恨みを買ってしまったか?」


2体のコボルトは、暫く捜索した後1体は先に帰ってしまった。これ以上の捜索は無理だと判断したらしいが、残った1体は引き続き捜索するそうだ。だがこれは………チャンスだ。前は1体倒しただけで4レベルも上がったのだ!

そして前回と違いこちらの位置はバレていない…。


「美味しそうな経験値だ……。」


もう経験値にしか見えなくなってしまった。

ゆっくりと弓を構え、慎重に狙う…。


「落ち着け…。俺なら出来るぞ…。絶対仕留める。大丈夫…。」


小声で自分に言い聞かせる。大丈夫…大丈夫と。言霊の力は偉大なのだ。

今回はダメージも無く、死の恐怖で震えてたりしない。


弓を放つと、矢はコボルトの頭に命中したが折れてしまった。硬い頭蓋骨と俺の弓の威力に耐えられなかったのだろう。

驚いたコボルトがこちらを振り返っている。

まずい!


「チッ…! また1発で仕留められないのかよ!」


急いで2発目の矢を放つと今度はコボルトのノドを貫通した。


「ガッ……、ウウ……。ガッああ」


コボルトは苦しそうに首を抑えながら倒れ、暫くすると動かなくなってしまった。



「はあ…はあ…、これでひと段落…か?」


危なかった。頭を射抜いて終わりと簡単に考えてしまった。またしても反省だ。1手だめならその後の手も考えておかないと…。   


《経験値を獲得しました。レベル8にアップしました。》


あれ?意外としょっぱいな?

まあ後2レベルだ。コボルト3-4体くらいでいけるはずだ。

そして今回の様に1vs1でこちらが奇襲を掛けるならまず負ける事は無いと思った。


「ククク……、このままコボルト狩りを続けるとしますか。」



辺りがすっかり夜になった後、経験値コボルトを探していた。

夜は危険が多くて危ないと判断していた為、行動を躊躇していた訳だが、今は一刻も早く強くなりたい。その為の経験値だ。

更にゴブリンは他のモンスターに比べて夜目が効くらしい。辺りが真っ暗でも普通に見えてる。この目があれば演習の時は大分マシになっていただろう。

俺と同じく夜目が効いてそうなモンスターともスレ違った。中型のヘビのモンスターだ。中型と言っても俺より遥かにデカい。ゴブリン10体ほどペロリと平らげそうだ。

だが俺が見えてると分かったのか目が合った途端に、そのまま去っていった。俺も同じだ。夜に目が見えない奴らをこれから狩っていくのだから…。



散策していると明かりが見えた。松明の光だ。

気配を隠し、光の元へ近づく。絶好の獲物だってさた。昼間先に撤収したコボルトが仲間を探しに帰ってきたのだ! しかも狙いやすい様に松明を持参して…。

俺は木の上に登り、弓を構え慎重に狙いを定める。頭はダメだ。足を狙おう。

矢を放つと、コボルトの右太ももに命中した。


「ウギャッア!!?」


咄嗟の出来事で混乱し、太ももを抑えうずくまっている所へ第2射を放つ。


「グギャアアアア!!」


…めっちゃ痛そう。

2射は胸を貫いている。このまま射抜いていれば良いんだろうが、早く片付けたいので短剣でトドメを刺した。

コボルトは絶命したが、アナウンスが聞こえない…。まだ経験値が足りないらしい。

だが、昼間より圧倒的に有利に立てる事が判明した。

その翌日から俺は夜にコボルト狩りを始めた。

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