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第5話:戦闘

昨日ギックリ腰になった…。

狩りを終え、獲物を持って洞窟へ戻る途中、俺たちは道を塞ぐように立っている一体の生物と遭遇した。長い槍を持ったウサギのような耳の生えた人型の獣――コボルトだ。


この世界で初めて人型の魔物に出会ったが、とても大きく感じる。俺含めゴブリンは、せいぜい120cmほどだが、今目の前にいるコボルトは150cmはあるだろう。格闘訓練で10cmも相手と身長があれば大人の子供の喧嘩みたいなものだった。

そして、コボルトは何故かこちらを睨め付けていた。ゴブリンと縄張り争いでもしてるのだろうか?


「…これは…、厄介な相手が出てきたな。こいつらとは敵対しているのか?……っておい!!お前ら待て!!」


俺が言い終える前に、仲間のゴブリン2体がコボルトへ飛びかかった! 狩の時は慎重だったのに、なぜ急に攻撃したのか分からないが戦闘が始まってしまった。


コボルトはゆっくりと槍を構えると、1体目のゴブリンを一閃し、そのまま重い突きで2体目のゴブリンを倒す。ゴブリンは口から血を吐き動かなくなってしまった。俺は戦慄した。圧倒的な力に、まるで勝てる気がしない。


「クソッ…!」


残ったのは俺一人。正統防衛ならともかくこちらから攻撃をしかけてしまった。コボルトは完全にこちらを敵と認識してるだろう。


「力の差がありすぎる……!」


この世界で初めて体験する圧倒的な強者だ。今まで格下のモンスター退治で天狗になっていた自分に腹が立つ。

だが、この世界でこんなに早く死にたくない…。

俺は覚悟を決め、短剣を構えてコボルトに向かっていった。


「ウラアアアアああッ!!!!」


槍が再び振り下ろされる瞬間、俺は必死にそれを受け流そうとしたが、力の差は明白だ。槍の一撃を受けた瞬間、俺の体は軽々と吹き飛ばされた。


「ぐはっっ…!!」


数メートルくらい吹っ飛ばされ、地面に転がり、視界が揺れる。痛みが全身を走り、しばらく動けなかったが、コボルトは俺の姿を見失ったらしい。体が擬態色で助かった。この世界でも山と森は俺を助けてくれるらしい。小さい幸運に感謝しながら体勢を立て直し、草陰に隠れながら状況を見極める。


「どうする…このままじゃ…、正面からじゃ無理だ。」


隠れながら息を整え、冷静にコボルトの動きを観察する。圧倒的な力と槍のリーチに対抗するには、距離を取りつつ、確実に攻撃を当てるしかない。辛うじて無事だった弓を手に取り、狙いを定める。


「これで……、1発必中で……、終わらせてやる…。」


俺は息を潜め、弓を引き絞った。コボルトの頭を狙い、一気に矢を放つ。だが、緊張と痛みのせいか、矢はほんの少しそれて、コボルトの左肩に命中した。


「…なっ!? これはマズい!!」


コボルトが痛みに顔を歪めるが、すぐに俺の方を見つけ怒りの咆哮をあげながら走ってきた。だが、片腕が不自由になったせいで、槍を振り回す動きが鈍くなっている!


「隙ができた…!これで少しは対等だろ!」


俺は再び短剣を構え、コボルトの脚を狙った。素早く間合いに飛び込み、低い姿勢から切りつける。短剣がコボルトの足に深々と食い込み、相手は一瞬動きを止めた。


「…これでどうだああ!!!」


最後のチャンスを逃すまいと、足の痛みでコボルトが片膝をついた際に首へ短剣を刺した。入りが浅かったのかコボルトは槍を捨て必死に俺を引き離そうとするが、俺は何回も首を刺した。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」


ザクっ、ザクっ、ザクっ、ザクっ、ザクっ…。


「…はあ、はあ、終わった…のか?」


気づいたらコボルトはその場に倒れ込んで、コポコポッと音を立てながら口から血を流して死んでいた。首にも無数の刺し傷ができていた。ようやく戦いが終わったことを実感する。俺は深く息をつき、全身の緊張を解いた。  


《経験値を獲得しました。レベル7にアップしました。》

《隠密Lv1を獲得しました。》

《短剣Lv2に上がりました。》


名前: 不明

種族: ゴブリン

レベル: 7

HP: 85

MP: 10

力: 24

敏捷: 21

知力: 15

スキル: [棍棒術 Lv1] [短剣 Lv2] [弓術 Lv3] [ゴブリン語 Lv1] [隠密 Lv1]



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