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第九話 守護騎士の資格


「兄さんが帰って来るですって!?」


「え、ええ、風の噂だけど」


エミリアがソニアと下校中に他愛の無い会話をしている。

ルークとローグはその内容に興味はなく、例の赤いSVFについて情報交換していた。

その時である。

生身のエミリアに赤茶色のSVFが襲い掛かって来たのだ。

ゼクロスに乗っていたルークは当然それを見逃さない。


「お、お友達とお喋りに夢中かと思ったらやるねぇ」


その赤茶色のSVF、アデルは色こそ違えど、現代では特殊部隊用に使われている高性能SVFだった。

色々カスタマイズされてる辺りアデルCとでも呼ぶべきか。

しかし見た所武装は無いようである。


「その武装でゼクロスと戦うつもりか」


「ああその通りだよ。ほれっ」


「くっ、魔法か!」


アデルCは手をかざすと魔方陣が展開され衝撃波が飛んでくる。

ゼクロスはエミリア達を庇うように前にでるとエネルギーシールドを張った。

多少貫通はしたがゼクロスの耐衝撃装甲はその分を防いだ。


「ほう、これが噂に聞く異世界のSVFって奴かい」


アデルCは再び魔方陣を展開すると今度は重火器を召喚した。

現代世界の武器、機関銃である。


「こちらの世界の武器か・・・なら防げる」


アデルCは機関銃をゼクロスに向けて連射するがゼクロスの装甲にはびくともしなかった。

一方ソニアとエミリアはローグに誘導されて避難していた。


「なーんかあの声に見覚えあるのよね・・・もしかして!」


「あ、おい!」


ローグの静止も聞かずエミリアは二機のSVFの前に割って入った。


「そこの赤茶のSVF!ケイン兄さんでしょ!」


「・・・やれやれ、ばれちゃぁしょうがない」


アデルCがその装甲を開き、搭乗者があらわになる。

アデルCの搭乗者は若いながらも髭を蓄えたナイスガイだった。


「エミリアの血縁者か・・・なんのつもりだ」


「大切な妹を預けている守護騎士様だ。それに最近は婚約者にもなったそうじゃないか。兄として心配するのは当たり前だろ?」


「その台詞、数年放浪してた男の人の言う台詞じゃないわよね。私とお父様がどれだけ苦労したか・・・!」


むすっとした顔でエミリアが言う。

あの自由奔放なエミリアが言うのだ、相当アレな性格なのだろう。


「まあ何はともあれ守護騎士としてSVF方面は合格だ。後は生身のほうだが・・・」


「あ、兄さんやめた方がいいわよ。ルークはこれでも―」


エミリアが言い終わる前にケインは投げ飛ばされていた。


「あー、遅かったかー」


「これで気が済んだか」


汗一つかかず冷めた目付きでルークが言う。


「あ、ああ、生身の方も合格っだな」


ケインは立ち上がり服に付いた埃を払うとルークに一礼し握手を求めた。

しかしルークはそれを拒む。

それを見たエミリアは少しだけ兄のフォローをした。


「確かに兄さんは失礼だったと思うけど、握手位してもいいんじゃない?」


「そいつが服の袖の隠しナイフを外したらな」


「え?」


困惑するエミリアがケインの服の袖をよーく見ると隠しナイフが装着されていた。


「よし、裏の試験も合格だな」


「なによー裏の試験ってー!」


この後色々ケインはエミリアに酷い目にあわされるのだが、それは別の話。

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