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第三話 学園潜入任務


「さあルーク、これに着替えて」


「なんの冗談だ」


そこには学校の制服らしき物をルークに突き付けているエミリアの姿があった。


「冗談じゃないわよ。私の守護騎士になったんだから側にいて貰わないと」


「任務了解」


ルークは愚痴ひとつこぼさずフォーマルな制服に着替えると銃をホルスターに収めナイフを足に仕込んだ。

要人の警護にしては軽装備だが仕方がない。

しかしそれを見ていたエミリアが驚いて静止する。


「ちょっと!学園にソレ持っていくつもり!?」


それとは懐の銃と足下のナイフである。


「軽装備である点は謝罪する。しかし今は手持ちはこれしか・・・」


「逆よ逆!そんな武器なんか要らないわよ!いざという時はSVFに乗ればいいんだし」


「そうか・・・了解した」


ルークは残念そうに銃とナイフを机の上に置くと、エミリアと共にSVFの格納庫へと向かった。



エミリアは愛機のリファレンスCに乗り込むとゼクロスに乗り込んだルークに手をやった。


「ちゃ、ちゃんとエスコートしてよね」


「了解した」


ルークの搭乗したゼクロスはエミリアのリファレンスCの手を掴むと学園まで移動した。


「このままでは遅刻する、急ぐぞ」


「誰のせいで・・・って、きゃっ!?」


ルークはゼクロスでエミリアの搭乗したリファレンスCを抱きかかえた。

俗に言うお姫様抱っこである。


「ちょ、ちょっと!?」


「スラスター出力60%で行く」


ゼクロスの背面の大型スラスターが青白い炎を吐くと、

ルーク達は学園へと猛スピードで飛んで行った。


―学園前


「着いたぞ」


「やばっ、吐きそう・・・」


「そんな暇は無い。教室へと急ぐぞ」


「うぐっ・・・誰のせいだと」


ルークは機体を格納庫へ移すとSVFを脱ぎ、教室へとエミリアを急かした。

エミリアのルークへの恋心が若干冷めつつあった瞬間であった。


―教室内


「着いたぞ」


「ふう・・・ようやく吐き気が収まったわ」


「ほーっほほほ!お遅いご登校ですわね!エミリアさん?」


「あらソニア、おはよう(相変わらず嫌味ったらしい高笑いだ事)」


「そうそう、私の新しい守護騎士をご紹介しますわ、ローグ!」


「はいよ、お嬢さん。何用で?」


「私の学友にしてライバルをご紹介致しますわ」


「エミリア・アトラシアよ、よろしくね。後ライバルじゃないから」


「俺はローグ・アヴェンジャー、ローグでいいぜ・・・っておいお前ルークじゃねーか!」


「あらお二人はお知り合い?」


ソニアが驚いたようにルークの方を見る。


「こんな奴は知らん」


否定するルーク。


「おいおい、異世界のそっくりさんって訳でもないんだろ?ここは隠し事無しでいこうぜ?」


ルークの肩にぽんと手をやるローグ。

しかしルークはそれを払いのけた。

そんな嫌な空気をかき消すかの様に教室のチャイムが鳴り響く。

そして当然であるかの如く守護騎士であるルークとローグは廊下に締め出された。


「守護騎士は貴族様と授業を受ける権利はないんだとよ。ひでぇよな、ルーク」


「そんな事に興味は無い。それよりあの時の赤い機体だが―」


「ちょっといいかな、話があるんだけど」


一人の守護騎士らしき男が二人の会話を遮る様に声を掛ける。


「僕の名はレイス、一応この学園の守護騎士を取り仕切ってる者だ」


「あっそう。よろしくな、でなルーク」


「僕を無視するとは言い度胸だね・・・お前達!」


教室外で待機していた数人の守護騎士らしき者達がルークとローグを囲う。


「やる気なら買うけどよ、後悔するぜ?」


余裕しゃくしゃくなローグの態度に苛ついたレイス達は中庭までローグとルークを連れ出した。


「じゃあさっそく始めよう―くはぁっ!?」


ローグがレイスの腹にきつい一発を喰らわす。

思わずその場に倒れ込むレイス。

肉弾戦では敵わないと思った残りの数人は魔法での攻撃に切り替える。

しかしルークとローグはそれを巧みに避け、同じく腹パンやサブミッション(関節技)を決めていく。


「なんでぇ、守護騎士様といってもこんな物か」


ローグが口笛交じりに呟く。

するとSVFの駆動音が中庭に鳴り響く。


「守護騎士の真価はSVFに乗ってこそだという事を分からせてあげよう!」


それはレイス用に調整されたリファレンスだった。


「おいおい、生身相手にSVF持ち出すとか冗談じゃねぇぞ!?」


「ゼクロスよ、来い・・・!」


ルークが合図するとゼクロスは格納庫で自動起動した。

後はこちらに来るまで時間を稼ぐだけである。


「ここは俺が囮になる。その間にお前はゼクロスに乗れ!」


「了解した」


ローグの提案に乗ったルークは身を隠しながら格納庫へ急ぐ。

一方ローグは軽口を叩きながらもSVFに乗ったレイスの攻撃をなんとか避け凌いでいる。

武器を使わない辺り加減してるとはいえ、SVFのパワーで殴られでもしたら骨折は必死だろう。


「ルークの奴まだかよ・・・俺も呼ぼうかな、ディファイアンス」


そうローグがボヤいていたその時である。

レイスのSVFの腕を別のSVFが掴む。

ゼクロスが若干力を込め捻り上げるとレイスのSVFの関節部が悲鳴を上げた。


「降参だ!頼む!許してくれ!」


レイスはSVFを脱ぐとローグとルークに深々と頭を下げた。

その時である。


「多数の生命反応が学園に近付いている・・・おい、こいつらは敵か?」


ルークはゼクロスの手をかざすとレイスに向けてホログラム映像を出した。

それは緑色の巨人、オークの行列だった。

そして空にも対象が。

羽を生やした鳥の様な女性、ハーピーだ。


「はいいいい、そうですうううう!オークとハーピー、魔物の軍団ですううう!」


レイスはパニックになりろれつがまわっていない。

魔物、現代ではファンタジー世界の架空の生き物だが、異世界には実在する様だ。


「よっしゃ、丁度ストレス溜まってた所だし、いっちょやってやりますか!」


「守護騎士の任務に繋がる任務と確認。了解した」


いつの間にかローグは自分の黒いSVFディファイアンスを呼び出しており、それに搭乗した。

ルークの搭乗したゼクロスは先に魔物達の方へ向かった様である。


「一応貴族様達を避難させておいてくれよ。えーと・・・」


「レイスだ!その役目、任して貰おう!」


―学園前


学園前には既にオークとハーピーの大群が迫っている。

ゼクロスはオークの集団の上空に陣取ると、集団の中心地点に照準を合わした。

ゼクロスのメガランチャーが発射される。

着弾地点に大きな爆発が起こりオークの集団は壊滅した。


そして同じく学園前の上空にはハーピーの群れが迫っている。

渦中にいたゼクロスはプラズマサーベルでそれらを薙ぎ払っている。

そして学園屋上の狙撃地点についたディファイアンスはスナイパーライフルでハーピー達を撃ち落としていく。


「これでラストっと・・・!」


最後のハーピーを仕留めたディファイアンスはようやく狙撃態勢を解除した。

その時である。

倒し損ねたオークが女生徒に襲い掛かろうとしていた。


「きゃああああああああああ!?」


女生徒の悲鳴が上がる。

それはゼクロスからもディファイアンスからも間に合う距離ではなかった。

慌ててライフルを構え直すディファイアンス、ゼクロスも全力で向かう。

しかしその窮地を救ったのは蒼いSVF。

彼と彼の駆る愛機こそ、この学園の生徒会長であるアニムス・フェザーン、そして蒼いSVFロード・ユニフェスだった。

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