表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/18

第二話 異世界


「く・・・ここは・・・」


ルークが目を覚ますとそこはベッドの上だった。

傷の手当てもされており、あれだけ重傷だったのにも関わらず傷口は塞がっている。


「どう?治癒魔法には自信があるんだから」


そう得意げに言ってきたのはエミリアだった。

エミリアはベッドの側に近付くと近くの椅子に座ろうとする。

その瞬間ルークは手持ちの銃をエミリアに向けた


「動くな。動けばお前を殺す」


「それって銃よね?異世界の物はそんなに小さくなってるんだぁ」


ルークのハンドガンをまじまじと見つめるエミリア。

異世界に魔法と聞きなれない言葉に思考を巡らせるルーク。

しかし要領を得ない。

魔法や異世界等は漫画やゲームの中だけの物だからだ(それらを経験した事は無いが)。


「ほら動かないで。傷口が開くわよ」


エミリアが傷口に手をやり目を瞑り集中すると、手元が緑色に輝き傷口を徐々に癒していった。


「後2、3回処置したら完治するからね」


「これが・・・魔法?」


「驚いた?異世界には魔法がないのね」


「どうして俺が異世界の者だと分かる」


「あなたが気絶してる間に調べさせて貰ったけど、魔法力が0だったんだもの。この世界の人間じゃありえないわ」


最初は懐疑的なルークだったが、この目で見た以上魔法の存在を信じるしかない。

そして異世界である事も信じなければならなかった。


「お前は俺をどうする気だ」


「どうもしないわよ。それよりも私の守護騎士にならない?」


守護騎士とはボディガードの様な物で、

SVFを持っているが操縦ができない貴族の為に代わりに戦う事も多い。

要は先程ルークが戦ったようにすればいいだけだ。

生身の戦闘能力も高いルークにとってはうってつけの職業だろう。

特にこの異世界で衣住食が確保できるのは大きい。


「守護騎士の件、やらせて貰う。俺のゼクロスは?」


「ゼクロス?ああ、あの白金のSVFね。今修理に出してる所―」


「今すぐそこへ案内しろ!」


「え!?」


ルークはよろよろと立ち上がるとエミリアにゼクロスの元へ案内させた。


「大丈夫よ、ウチの修理工達は一流なんだから・・・」


「そういう問題じゃない。このままでは自爆装置が作動してしまう!」


「未登録のユーザーによるシステムへの接触を確認。自爆シークエンスを開始します・・・3・2」


「自爆シークエンス解除!コードネーム:ルーク・リヴィジョン!」


「正規搭乗者の音声を認識。自爆シークエンスを解除します」


「・・・修理は俺がやる。お前達は手を出すな」


「は、はい!」


エミリアの用意した修理工達はぞろぞろとその場を後にした。


「ゼクロス、破損個所を教えろ」


ゼクロスにルークが話掛けている。

ゼクロスというのは搭載AIの名前でもあるのだ。


「誰に話しかけているの?」


エミリアにはルークが虚空に話している様に見えるらしい。

制御を補佐・管理するAIは本来の持ち主にしか反応しないのだ。

発掘した他人のSVFを使っている彼女達には存在すら分からない。

いわばブラックボックス的な存在なのだ。

通常AI無しでは戦闘力は60%程度しか発揮できないだろう。


「駆動系、それにスラスターが破損か・・・パーツを借りるぞ」


「別にいいけど、自己紹介位してもいいんじゃない?」


ルークはエミリアの方に向き直ると真顔でこう答えた。



「ルーク、ルーク・リヴィジョンだ」


「私はエミリア、エミリア・アトラシアよ。よろしくね」


ルークはエミリアの自己紹介を碌に聞きもせずSVFの修理に戻った。


「んもう、まあそこも素敵ではあるんだけど」


エミリアはルークに恋をしていた。

冒険好きの好奇心旺盛な性格に加え容姿良しの異世界人ときたのだ。

彼女が惚れない理由が無かった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ