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第574話 美人だな。いや、聖女様



(び、美人だな。いや、聖女様?)


勇はそう思った。


「えっと、わたしの顔に何かついてる?」


少女はじっと見詰められ困ってしまう。


「いや、お母さんみたいだなって」


( 間違えたー!よりによってなんでお母さんなんだよ!聖女様てつったのに! )


勇は言ってから心の中で叫んだ。


「そんな、お母さんだなんて……………」


少女は恥ずかしくなる。


「ごめんなさい、いい間違えです!いいお母さんになるなって思ったんです!」


勇は慌てて訂正した。


「そう、嬉しいな。わたし、お姉さんで下の子達の面倒見てるからちゃんとやれててよかった」


少女は心が暖かくなる。


横断歩道を超えてそのまま歩道をしばらく進んだ。

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