第五十六話
「なわけねえだろうが。光の攻撃だろうとなんだろうと痛いもんは痛いだろうが!」
カイラは叫びつつも焦っていた。今の身体は光の攻撃に弱い闇の力を纏っているのだ。
勇はそのハッタリを見抜いて冒険者達に言う。
「俺が牽制します。みなさんはその隙に派手にやってください!」
「任せろぉ!」
「ああ!」
冒険者二人が頷き横から距離を置いてカイラに接近する。
「はっ」
「ふっ」
「でーい!」
勇、もう一人の冒険者、リンネが遠距離から協力して狙う。
ほとんど正面からとはいえ五方向からの攻撃を全てさばき捌ききるのは魔王軍のカイラに取っても苦労ものだ。
「うざってぇ」
思わず呟くがむしろ内心では興奮していた。
「消えな!」
『ぐわぁぁぁ!!』
カイラはニヤリと笑いつつ鎌に魔力を貯めると回転し横にいる二人の冒険者に深手を追わせる。
「そんな!」
勇が思わず声を上げる。
「あーあ、上手くやろうしたのに残念だったなぁ。冒険者さん達よぉ。勇者様でもくりゃあ変わるんだけどなぁ」
カイラは倒れた屈曲な冒険者を踏みつけ嘲笑う。
勇者は目の前にいる。だがその勇には真の力を使うに必要な王女がいない。勇者がいないも同然で勇は冷や汗をかく。
「まず一人、くたばりやがれぇっ!」
カイラは笑みと共に鎌を屈曲な冒険者に振り下ろす。




