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第四百十六話 城下町をお散歩しませんか?
食事も終わり春愛は両手を合わせて声をあげた。
「せっかくですし勇様、城下町をお散歩しませんか?」
こう言われ勇達はでかけることになる。
だが戦いがあった後で二人だけにするわけには行かず疾風達忍者が護衛に名乗りでた。
「え、嫌ですけど?勇様は勇者様ですし大丈夫ですよ。せっかくの機会なので二人でいたいんです」
春愛は優しく微笑みつつきっぱり断る。
疾風達はうっとりそうになるが理性との境で頭が痛くなった。
「いけません、わがままはいけませんよ春愛様。今回のこともある上に暗殺、なんてこともありかねません。勇様が弱いとは言いませんが…………」
疾風は苦笑いをしつつ春愛を説得する。
「そうですか……………。死ぬのは嫌ですし、はあ…………戦争て嫌ですわ。早く平和になりませんかね」
春愛はものすごーく憂鬱になった。
勇は彼女から漂う甘い香りは心なしかしょっぱく感じてくる。




