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第三百八十八話 幕府とは
「ところで、そもそも幕府とはなんでしょう」
リンネは片手を上げて聞いた。
「そういえば 桜園将国には朝廷と幕府、二つ政府があるてのは俺も知ってるけど細かい違いは覚えてないや」
勇の言葉にケイネスはだらしないなと眉を潜める。
これでも勇の騎士学校での成績は学年二番手なので忘れっぽい性格である。
「朝廷はよそで言う王室のようなものですが大まかな方針だけ決めていて細事は幕府が決めているのです」
そして長老は昔話を始めた。
幕府ができる前、朝廷よりも各地の領主、中でも戦闘に優れた豪族達が力をつけはじめていた。
同時に朝廷は堕落し贅沢三昧をしその上いい加減な政治をしていたのだ。
それに怒った豪族達は朝廷を倒す、のではなく自分こそが国を牛耳るのだと立ち上がり各地で戦いが起こった。
当然堕落していた朝廷では兵の力も金も余裕がなく戦いを収めることはできない。
戦いは激化し戦国時代とも呼称された。長く続いたそれを最後に収めたのが七代前の楼珱幕府将軍である。




