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第三百五十二話疾風、弟への扱いは厳しい
「う、ごめんなさい…………」
言われた早丸は俯いてしまう。
「それ、弟に言うセリフじゃなくない?」
勇は疾風の弟への扱いにろくでもないと感じた。
「いえ、甘やかすのはよくないと思います。若いからこそ厳しくしないと」
疾風は腕を組んで硬い顔で言う。
勇は現実味ではあるが家族としてそれはいいのかと釈然としなかった。
「あ、早丸。こちら勇者隊のみなさんよ。里を案内してるのであなたもくる?」
「いいの?!やったー!」
疾風に誘われると早丸は両手をあげて喜ぶ。
「悪くないわね…………」
リンネはぼそりと呟き勇が目を向けた。
まさか歳下好きなのか自分はその範囲だから好かれているのかと驚いたのだ。
「では、こちらが田畑になりまーす」
疾風は案内をはじめる。
勇はその田んぼは現代日本の農家のものより広く感じた。だがあくまでそれは地球の話である。




