第三十三話
「伝説てなんですの?」
「それはねえ、お姫様が勇者様とセッ…………」
リンネの問いにアステリア王女が答えようとするも勇に口を塞がれる。
セックス、などと言われてはあまりにまぎわらしいのだ。
「結婚することで勇者の力を手にできるからなったんだよ。ま、きっかけが恋愛じゃなくて使命とか王様に言われたからなんだよね」
勇は誤魔化すように言った。
「え、じゃあ王女殿下てイサミくんのこと好きじゃないんですか!?」
エルハが疑問を抱く。
「違うから!ていうか伝説は口実!一目惚れていうか彼の勇姿にやられちゃったの!?人に言われたからとか使命じゃないから!勘違いしないでよ勇くん!」
アステリア王女は慌て訂正した。自分がそんな恋愛に軽薄な人間と思われては納得いかなかったのだ。
「とんだ乙女ですわね。おかげ王女殿下のこと少し好きになりましたわ、アステリア」
リンネは今までの邪悪な彼女とは異なる面に虚を突かれ親近感が湧き朗らかに笑った。
「うん、王女殿下てもう少しお堅いイメージあったから。あとわがままだったり」
エルハは王族とは以前には縁がなかっただけに二パーと派手に笑う。
「そういうのは、反則だと思う」
アステリア王女はあまり言われないことに頬を染めて口を尖らせた。
だがローゼスタイン家以外の、王族以外の友人ができるのは彼女達が初めてであり彼女は嬉しく感じた。
「なんていうか、感動ですね」
「うん、女の友情だね」
ケイネスとイリーナはその光景に微笑む。
「ふ、大丈夫かな。クリム王女ってのは」
勇は呟くがもはや誰も聞いていない、アステリアと違い信用できる要素がないのだ。




