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第三十話



「わたくしは……………昔のあの子は野蛮で外遊びが好きでわたくしに合わない、なんてことはありませんね。あの子のせいでわたくしも野蛮になってました」


リンネはやや呆れた顔をした。


「幼馴染の絆、深い…………」


アステリア王女はリンネの昔話に感動する。


「というのは別に問題ではありませんでしたわ」


「違うんかい!」


予想を裏切られアステリア王女は声を上げる。


「わたくし、貴族ですから幼い頃から縁談の話が何度もきて嫌でしたの。それで勇の家に逃げたこともあって、そしたら親の言うことなんて聞かなくていいと言ってくれましたの。それから愛するようになりましたわ」


リンネは頬を染め扇でそれを隠す。


アステリア王女はどこの乙女だと彼女に呆れた。


エルハはリンネを可愛いく感じ共感した。


「ああ、イサミは昔からその手のことが嫌いだったからね」


ケイネスも勇のことを思い出す。


「はっ、これだから上流階級は」


勇は蔑むような目を全力でした。


「君も上流階級だろう?」


彼と義兄弟のケイネスは苦笑いする。


「あれ、勇くんてわたしのこと結構嫌いだった?」


アステリア王女は不安になってしまう。


「昨日まではね。お姫様て肩書きは絵本で見て憧れたんだけど本物というか上流階級はちょっと、いやかなりめんどくさい」


勇の言葉にアステリア王女は彼の元の出身が平民だと思い出した。

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