第二百七十五話 それで、どうかしら。デモンストレーションの調子は
その深夜、宿屋にてヘヴィメタルデーモンは女王パンドラドの通信魔法を受ける。
「それで、どうかしら。デモンストレーションの調子は」
「これはこれは、パンドラド様。へっへっへ、結構いい感じですよ。今度は派手に行ってもーっとひどいことになりまっせ」
パンドラドは軽快に答えるも夜にギターを鳴らすわけには行かず手持ち無沙汰になった。
「ふふふ、今回はうまくいきそうじゃない。珍しく気分がいいわ。ふふふ、ははははははは!」
パンドラドは高揚して高笑いする。
黒騎士は嫌な予感がしてならなくヘヴィメタルデーモンに言った。
「ただし、油断だけはするな」
「するかよバーカ」
ヘヴィメタルデーモンは目を見開いて笑う。
そして翌日、騎士団はヘヴィメタルデーモンがライブをした教会を捜索、確認するとその特徴を聞いて人相書きを作った。
それを街の各所に配りなおかつあくまでヘヴィメタルデーモン本人達には知れないよう住人達に伝える。
そうとは知らずヘヴィメタルデーモンは大教会本部にやってきてライブの交渉を始めた。
前日に行った場所と同じようにあくまで派手な格好をするもそれは悪魔払いのためと言い放つ。
「いいでしょう、大変歓迎です」
と笑顔になりつつ司祭は腹黒いやつめ、今に見ていろ。昨日のようにはいかないぞと怒りを貯めた。
ヘヴィメタルデーモンはへっへっへ、どいつもこいつも馬鹿ばっかだぜ。ド派手にいくぜと笑いたくなる。




