第二十三話
「なんで俺の幼馴染の名前知ってるんだ?」
勇が疑問を投げる。
「そうなんだ。それは、わたしがリンネさんの搬入作業の確認担当だからだよ」
アステリア王女が答える。
キカイニスト社、最新鋭の魔導具を開発、製造する会社だ。ものによっては高価で購入数も少ないが安価で大量に生産され知ってる人も多いのだ。
その支社の令嬢が勇とケイネスの幼馴染であるリンネだ。
「そういえばリンネさんの担当は城や王都への搬入だったね」
「でもアステリアが確認作業て王女て暇なの?」
ケイネスが解説するが勇は疑問が残る。
「暇だけど、どこに何があるか見るのは後々便利なの!」
アステリア王女は顔を赤くして主張する。
「因みに彼女はイサミくんが長らく求婚してた相手です」
ケイネスが指を立ててニヤリと教える。
「ちょっとー、それは言わないでよー」
勇はややこしくなると懸念し眉を潜める。
「求婚ねえ。その人、美人さんなの?」
アステリア王女は凄みのある目で勇を睨みつけた。
「いや、可愛いよ。お姉ちゃんぽいけどなんか高飛車なのも合ってて超可愛い」
勇は真面目な顔で顎に手を当てる。
「僕が思うに美人系だと思うんだけどね」
ケイネスは肩の上で手を広げた。
「あとおっぱい大きい、俺が知る中じゃ一番かも」
その発言にアステリア王女はギリと歯を噛み勇の足を思いっきり踏む。
「つぅ、ごめん。言いすぎた」
勇は足を抑えながら謝罪した。




