第十八話敗北したフランデンへの助言
「申し訳ありません!一度ならず二度までも失態を犯すとは!」
フランデンは自身の居城にてパンドラドに頭を下げる。
「いいわ、あれは想定外だっもの」
千里眼の魔法をフランデンの周囲にかけることで戦いを見ていたパンドラドは敗北を咎めなかった。
「まさか本物がいたとはな」
黒い鎧の騎士が勇の変身を持ったことに驚く。全身を黒いフルプレートで覆ったその男は黒騎士とだけ名乗っており本名も素顔も仲間は不明。知るのは魔王パンドラドのみだ。
「なんだあそりゃあ、まるで別の何かが来たみたいじゃねえか」
フランデンはその言い方に違和感を抱く。
「 勇者の伝説、世界に魔王の脅威迫る時、姫とまぐわい、魔王を打つ力を得る勇者現れん、プリンセスクロッサー碑文とも言われています」
仮面の伯爵が内容を説明する。黒騎士と違いこちらは本名を一切名乗っていない。素顔を知る者は何人かいるが基本は黒と白が半分の仮面で隠している。
「なんでお前まで知ってんだよ」
フランデンはしっかりした内容に混乱する。
「あなたが知らないのよ。わたしが説明しようとしたら必要ないて出て行ったじゃない」
パンドラドが拗ねて言った。
「す、すいません…………」
フランデンはなにも言い返せずうなだれる。
「ともかく、あれとまともに戦うのは危険よ。王女の肉体を鎧とするその力は上級戦士や魔術師を遥かに凌ぐわ。と言っても王女によって向き不向きはあるけど」
パンドラドはプリンセスクロッサーで生まれた戦士の解説する。
「というと?」
次を待つフランデンにパンドラドは眉を潜め口を震わせた。
「少しは自分で考えなさい。あれは光、いえ電気の使い手にしてバランス型の騎士、これで分かるでしょ?!」
少し呟くと苛立つようにヒントを与える。
「木属性の者をぶつければ………!」
ようやくフランデンははっとした。
「それでいいのよ。その手の者を部下から探すか雇うかしなさい」
「ははっ」
その指示にフランデンはかしづいた。




