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第百七十五話
「勇くんてそういうキャラだったんだ」
アステリア王女は意外な行動に目を丸くした。
「いいじゃねえか別に」
クリム王女はあまり気にしていない。
「軽いわね。下品よ、そういうの」
リンネは眉を潜めて腕を組んだ。
「いいじゃない。最近の若い子って感じして」
「うん。騎士学校の人達もよくやるよ」
エルハは妖艶に、ケイネスはうんうんと頷く。
「品性ないなー、魔王軍倒したら視察しようかな」
アステリア王女はますます眉を潜めた。
「アステリアって、結構厳しいね…………」
勇は苦笑いする。
中も小洒落ており勇は気分が上がった。つい、鼻歌まで歌ってしまう。それは無意識に前世で聞いたアニメの主題歌を選んでいる。
アステリア王女はもはや何も言わずただ眉を潜めるだけだ。
「それ、なんの歌よ」
リンネは注意するのも飽きて尋ねた。
「まあ、あれ。あっちの歌、かな」
勇は目を泳がせそれとなく伝える。
「ふーん」
リンネはそれでだいたい察した。




