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第十六話前世の記憶



報告が終わるとアステリア王女に連れられイサミはサロンに来ていた。


ケイネスからは距離を置き聞かれないようにする。彼は二人に目をかけるが邪魔をしない方がいいかと感じた。だが気にはなり視線だけは移す。


「で、さっきの記憶のことなんだけど…………」


アステリア王女が紅茶を飲みながら聞き始める。彼女がイサミと共に見たのはこの世界ではありえない高さの建物や鉄の固まりが走る風景だ。


「うん。違う世界の人間。イサミ・ユーディラドじゃなくて纏勇じゃなくて多分死んで転生したんかな。いや、転生前の記憶あるて変だしてか死んだっけな…………」


イサミは喋りながら混乱し始める。


「結局イサミくんなんだ。あっちの世界の最後の記憶はどんな感じなの?」


アステリア王女は名前の一致に関心しつつ事情を辿る。


「確か女の子がトラック、でかい車に轢かれそうになるのを庇って…………死んだショックですっぽ抜けたかな……………」


勇は記憶を遡っても疑問が残った。


「輪廻転生ていうけどそんな死んだ瞬間の記憶まで復活するなんてないんじゃない、痛いし」


「そっか」


勇はさういうことで納得した。


「それよりも!最後の方の記憶で一緒にいた女の子!勇くんの彼女なの!?」


アステリア王女はバンとテーブルを叩く。


「 違う違う!あの子は、俺が所属する学校の生徒会て自治組織の仲間で、別に彼女とかじゃないからね!?」


勇は必死に誤魔化した。


「ならいいけど」


アステリア王女は口を尖らせ納得することにする。

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