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第百四十五話奇襲開始
「食客のオーガだ。意見いいでしょうか」
「いいだろう。いってみろ」
促したのはフェイリーン皇女だ。
「その線が正しいなら正面がガラ空きになるな。即ち部隊を一部割きそこを奇襲することを提案する」
「愚問だな。問題はその奇襲係だが、当然わたしが十三やマオと行こう。オーガ、頼めるか?」
「それこそ愚問だな」
オーガは目を伏せて頷く。
「いいのですか殿下。食客をそんな重要な役にするなど」
騎士団長は不安を口にした。
「問題ない、こいつはかなりできる」
フェイリーン皇女の言葉もあり騎士団達はオーガに奇襲係を任せることになる。
「フェイリーン殿下を頼んだぞ」
「ああ」
騎士団長はオーガに別れを告げ主部隊を連れて城の森側に向かう。
「行くか」
「ああ」
しばらくしてオーガとフェイリーン皇女達は城の正面に向かった。
「ほう、人間達は怯えて来ないかと思ったがこっちにもいるとはな」
オーガ達と向かいあったリザードマンはそう宣言する。




