第百四十一話フェイリーン皇女は派手に笑う
「あははははは!」
フェイリーン皇女はしまいにはオーガを指差して続ける。
「あの、姫様?」
「壊れちゃったにゃ?」
ポニーテールのメイドと猫耳のメイドは困惑してしまった。
「そこまで笑うか…………。勝手にしてくれ」
オーガは頭が痛くなり負傷したメイド達が回復したのを確認するとこの場を離れるべく歩いていく。
「いいだろう!お前に手を貸してやろう!お前が王とやらになるためになぁ!」
そしてフェイリーン皇女は手を掲げ宣言する。
「はあ!?どこをどうだ!?お前の城を取り戻すためか!?俺個人、ではないよな…………」
オーガは思わず混乱した。
「そのお前に手を貸すと言っている」
フェイリーン皇女の紫の目はそのままオーガを射抜いている。
「正気ですか姫様!?こんな得体の知れないやつに手を貸すなんて!」
「まるっきり信用できないにゃ!」
二人のメイドもさらに困惑した。
「一応田舎の騎士だ。休職中だから紋章は置いてきたがな」
「わざわざ騎士をやめてか。馬鹿だな」
フェイリーン皇女は呆れて手の平を上に向ける。
「で、その馬鹿になぜわざわざ手を貸す?」
オーガは眉を釣り上げて問うた。




