第百三話
「プリンセスクロス!」
敵の攻撃が迫ろうとした時、勇は咄嗟にエルハと合体する。さらに魔力の障壁を通常なら数秒かかる防御力高いものを一瞬にて構成し防御した。
「やれやれ、せっかちですね。では三日後」
攻撃が終わると仮面伯爵の姿がなく声だけが響く。
その後エルハと勇は急いで国王に事態を報告した。しかしこの日は時間も遅いため今日はあくまで打ち合わせのみで見回りは翌日からになった。
何をするのかわからない以上最高騎士団は見回りと聞き込みをするしかない。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
とあサーカス会場を思わせる緑のテント。そこへ街の一画から笛と風船に釣られ子供達が連れてこられた。それを操るは全身緑の衣服に身を包んだピエロのような男だ。
「よくぞ集まってくれましたみなさーん」
笛吹き男は集めた子供達に呼びかける。
子供達は何を見せてくれるのか、話してくれるのか目を輝かせた。
「わたくしはハーメルイトン、みなさんに頼みがあって集まっていただきーっ、ました」
ハーメルイトンは大仰な喋りを始める。
「なになにー?!」
「なんでもやるー!」
純粋な子供達はすぐさま承諾し手をあげた。
「ではみなさん、お家に帰ったら高級そうなもの、あるいはお金をまず見つけてください。それを明日またここに持ってきてくれますか?」
その頼みに子供達はなぜ?よく分からないと首を傾げる。何故そうするか、必要なのかは言わなかった。
ププー!
代わりにラッパを吹いて子供達に暗示をかける。彼らはすっかり暗示にかかり言いなりになってしまった。




