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2 祖父との邂逅
ルマが冒険者ギルドから出ると、ぽつぽつと雨が降ってきた。雨はルマにも優しく降りかかり、体をぬらす。しかし、ルマは雨を気に留めずに歩く。その足取りはしっかりとしており、急ぐ様子もない。静かな町のなか、足音と雨音が響く。
そんなルマを呼び止めて話しかける人影。
「孫よ、はじめまして!おじいちゃんである!」
ルマに大声で話しかけてきたのは、この雨の中でも全くぬれている様子のない異質な男だった。髪色はこの国では珍しい黒色であり、とても鍛えられた体をしていた。ルマは少し目をやり、気にすることなく歩き出した。そのことに慌てた男はルマの前に軽い身のこなしで体を滑り込ませた。
「確かに、いきなりこんなこと言われてもな。だが、俺がこの場所にいるということは、お前Sランクパーティを追放されただろう?」
そんなことを言って、ルマの目をのぞき込む男。ルマは男の動きに驚き、足を止めた。その様子を見て嬉しそうな顔をする男。ルマは少しだけ目を開き、